2023 Fiscal Year Research-status Report
U理論に基づいた自律性支援型ESD授業における動機づけ評価指標の実証的研究
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20K03176
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河内 幾帆 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (90818155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博 名古屋商科大学, 経済学部, 教授 (10705908)
中井 美和 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (30778080)
村上 一真 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (40626058)
高沼 理恵 金沢大学, 融合科学系, 助教 (50865904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | U理論 / 環境配慮行動 / 対話 / エンパワーメント / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
不確実性と複雑性が増す社会において、高いレジリエンス力(困難を乗り越える力)や問題解決能力の形成が教育における喫緊の課題となっている。こうした能力形成のカギとなるのが、教育課程修了後も独自の関心や問題意識に基づき継続的に学習行動を行う「自律的に考え、成長、変化し続ける力」にあると考えられる。しかし、このような自律性支援型教育プログラムの教育効果を評価する手法が確立されていないため、そのあり方はいまだに模索段階にある。本研究では、認知科学・教育心理学・社会心理学・質的調査により、教育プログラムにより自律的に学習する態度が形成されたかどうかを評価する「自律的動機づけ評価指標」を構築し、その有効性を実証的に検証する。 本年度は、身体生理学理論と昨年度の教育プログラム実践からの振り返りをもとに、自立的な思考、成長、変化の認知モデル仮説を構築した。人が成長に向けて変化しようとするとき、潜在意識の中でのvulnerabilityが高まり、変化に対する前向きな展望や、open-mindnessなど変化に必要な受容性が高まり、変化に向けての行動をとることを可能にし、その行動の結果としての成長を感じることで、さらに成長意欲が高まるという成長促進ループが存在する。一方で、人が変化しようとするときにおこる潜在意識の中でのvulnerabilityの高まりは、心の脆弱性を高め、不安や怖れを同時に感じやすくさせる。過去のトラウマ体験から身につけた不安や怖れを感じることを回避する無意識的な習慣的行動(他のことに気をそらしたり、周りのせいにしたり、先延ばしにしたりなど)が、成長を抑制する行動として現れ、結果的に成長意欲を抑制する。今年度はこの理論モデルをベースに教育プログラムの再構築を行い、評価指標仮説を構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教育プログラム開発は予定通りに行うことができたが、教育効果の検証を目的としたアンケート調査項目の選定に遅れが生じている。
教育プログラム実施時に起きる、将来的な行動変容を規定する新たな意識の萌芽は、微細すぎて本人も気づいていない、もしくは言語化できない場合があり、測定者バイアスがかかることもあるため測定が非常に難しく、慎重に研究を進めており、研究に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度:教育プログラムの実施と共に、micro-phenomenology(ミクロ現象学)のインタビュー手法などを基に質的調査、アンケート調査の構築、実施、データ分析、継続的なフォローアップインタビューの体制の構築とともに、研究成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度に予定されていた質的調査が2024年度に延期になったため、人件費・謝金および質的データ分析ソフトウェアの購入に振り分けていた物品費が当初計画より抑えられた。以上の理由より、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、2024年度の質的調査における人件費・謝金や、研究代表者(河内)のU理論をベースにして設計された既存の人材育成・組織開発・教育プログラムワークショップへの参加費に充当させる。
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