2023 Fiscal Year Annual Research Report
ネットいじめに留意したファシリテーターとしてのICT活用教員研修プログラムの開発
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20K03187
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
今田 晃一 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (40342969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 大樹 帝京平成大学, 人文社会学部, 講師 (90721671)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットいじめ防止 / ICT活用 / GIGAスクール構想 / 教員研修 / 学習評価 / 自己調整学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで研究協力校等との協力を得て、ネットいじめ防止に関する模擬授業を完成させることができた。題材として、NHK for Schoolにおける「ココロ部」の無料通信アプリをテーマ(約10分)としてモノを用いる。これは小5~中学生までを想定したものであり、当事者意識をもたせやすいジレンマ教材である。ここには、切羽詰まった場面でそのような書き込みをするかを瞬時に求められる場面が2回設定されている。ただ、それに加えて2つ目の問いの前に、「いじめ防止対策推進法」の概要について説明し、いじめかなと思ったら複数の大人に知らせることが大事であることを提案する。無記名でもいい。これは告げ口ではなく、通報であることを強調し、傍観者ができる最大のいじめ防止に対する貢献であると。さらに加えて、スイッチャーという一つの書き込みで雰囲気を変えることのできるスマートな仲介者の在り方も提案した。これにより、2つ目の問いに対して、スマートな仲介者としての書き込みの在り方について協働的な学びが充実される。 以上が模擬授業の大まかな流れであるが、ICTを必然性をもって活用することも模擬授業および教員研修において留意した。学習者は各自のタブレットに自身の意見を書き込むだけでなく、随時即時アンケートであるMentimeterを活用し、学習履歴(スタディ・ログ)をあえて残さないことによる自由な意見交換の可能性も実感できるように配慮した。 こららの模擬授業およびそれを参観した後の教員研修プログラムの構築を終え、今年度はその検証として埼玉県幸手市教育委員会との連携により、3回の模擬授業および教員研修を実施した。模擬授業は、オンライン授業として2校種(小学校・中学校)、異学年(小4から中3)全11クラスを対象に行うことができた。特に、振り返りと再構築に留意した学習評価の重要性を今後の課題として明らかにすることができた。
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