2021 Fiscal Year Research-status Report
ラーニングコモンズを活かした文系初年次学生のための研究ベース学習の設計と実践
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20K03189
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
辻 高明 長崎大学, 大学教育イノベーションセンター, 准教授 (00454603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リソース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ラーニングコモンズの学習環境を活かした文系初年次学生のための研究ベース学習を設計し実践することが目的である。ここでいう研究ベース学習とは、アクティブラーニングによる知識創造型の新しいアカデミックスキル教育法である。しかし、2021年度は2020年度から続く新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、実践の場であるラーニングコモンズのアクティブラーニングのための利用が大きく制限され、長い期間に渡り個別利用に限られた。 しかし、2021年度の成果として以下の二つが挙げられる。一つ目は、全国の大学におけるラーニングコモンズを利用した正課授業の現状を整理し論文にまとめたことである。CiNiiによる文献調査により、全12大学の実践事例を整理・分析した。そして、ラーニングコモンズを利用した授業実践の現状と特徴について、「対象学生と教育内容」「教育方法とリソースの利用」「ラーニングコモンズで授業を行うことの意義と課題」の観点から考察した。最終的に、学術論文「わが国におけるラーニングコモンズを利用した正課教育の現状に関する考察」にまとめた。二つ目は、勤務校において通常教室でのアクティブラーニング授業を担当し実践することで、ラーニングコモンズにおけるアクティブラーニング実践の特徴と比較し、ラーニングコモンズの環境やリソースの利用の意義を考察したことである。可動式の机・椅子やホワイトボードの利用に加えて、開放性、情報検索・収集のしやすさなど、通常教室とは異なるラーニングコモンズのリソースや環境面での意義を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、研究ベース学習の実践の場としていたラーニングコモンズでのアクティブラーニングのための利用が大きく制限され、自習のための利用が原則とされた。よって、ラーニングコモンズでの実践研究の遂行に支障が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度からは、新型コロナウィルス感染症も相対的には落ち着きを見せ、また、感染症対策も整備されてきているため、自身の担当する教育実践において研究ベース学習を設計し実践する。具体的には、実践における学生の学習活動のエスノグラフィによる分析と、活動のデザイン(再デザイン)を循環させることで、ラーニングコモンズ環境を活かした知識創造型の新しいアカデミックスキル教育法の開発を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のため、本研究の研究ベース学習の実践の場としていたラーニングコモンズの利用が大きく制限された。よって、本研究の遂行に支障が生じた。それにより、当初予定していた観察記録やデータ整理の補助のための謝金が未使用になった。さらに、同じく新型コロナウィルス対策のため、成果発表のための学会出張等の旅費など出張旅費が未使用になった。 2022年度は、ラーニングコモンズを利用した本格的な実践研究を推進する。未使用の分は、2022年度分の助成金と併せて、観察記録やデータ整理の補助の謝金や、成果発表のための学会出張等の旅費など出張旅費に充てる予定である。
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