2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Educational Program for Improving Creativity --- Applying Mediation Methods ----
Project/Area Number |
20K03191
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メディエーション / コンフリクト / コミュニケーション / 教育 / e-mediation |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、当事者同士で協調的かつ創造的に問題解決を行うメディエーション技法の教育的意義を明確にし、学校教育や市民教育で取り上げやすいような教育プログラムの開発、および教材作成をすることである。 2020年度は、メディエーションの技法を利用している大学や教育機関での聞き取りから情報を収集し、質問紙調査で実態調査を主にする予定であったが、コロナ禍で移動が制限されたりするなどがあり計画を少し変更した。緊急事態宣言などが発令されたりしたことからテレワークや遠隔授業が奨励され、それに伴いテレビ会議システムの利用が身近になった。そこでテレビ会議システムZoom を利用してメディエーションのロールプレイを実施することでe-mediation の可能性を考えることにした。 具体的には、研究協力者S氏の協力を得、シナリオを用意し、メディエーターの専門家や司法書士などメディエーションの経験者6名を募り、3名ずつ分かれ、同じシナリオで2セットzoom を利用してロールプレーを実施した。プロによるメディエーションの特徴をおさえること、ポストコロナを鑑み、zoom のようなテレビ会議システム利用の利点をおさえることが、主な目的となった。ロールプレーは、zoom で録画し、分析し、参加者のインタビューも踏まえて結果は学会で発表した。 また、別途、zoom の使い方について、初級または中級向けのワークショップの参加者を対象にzoom 利用にあたっての躓き要因について現象学の観点から調査研究した。調査結果は、学会で発表し論文にした。今後のe-mediationの普及も念頭にzoom などテレビ会議システムの一般利用の可能性を探るための基礎研究として意義があるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでにメディエーション技法を利用している司法書士などを数名集め、フォーカスグループインタビューはすることができた。また、zoomで実施したロールプレイの録画記録の分析からe-mediationの特徴はおさえることができた。 しかし、メディエーションの技法を利用している大学や企業での実態調査をする予定に関しては、コロナ禍で大学の授業は、遠隔授業など取り組みがさまざまに変更される年となったため、それらの調査はできなかった。 これらが理由でやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の予定は、実態調査をできる限り進め、教材開発する際のシナリオのヒントになる情報を収集する予定である。それと同時に文献を整理しe-mediationの日本における可能性を探索的に調査する。 大学生によるロールプレイのメディエーション等も実施し、メディエーションの展開についても引き続きデータ収集をし、分析していく。
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Causes of Carryover |
2020年度は、コロナウイルスによるパンデミックに伴い緊急事態宣言が発令されるなどがあり、移動して対面調査をするなどができなかった。そのため、交通費、学会参加費などが使用されなかったので次年度に繰り越した。 2021年度は、ワクチンも接種できるであろうから、調査経費に充てる予定である。
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