2021 Fiscal Year Research-status Report
教育困難校におけるキャリア形成をめざしたSTEM教育の開発
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20K03209
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
石川 聡子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30314438)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | STEAM教育 / 教育困難校 / 学校から仕事へ / 能力 / 就職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、STEAM教育のカリキュラム開発とその効果の確認を目的とし、とくにいわゆる教育困難校と呼ばれるところの高校における「学校から仕事へ」、すなわち高校卒業後に就職する生徒たちの能力開発や就労意欲などに焦点を当てて、科学技術イノベーションに寄与するSTEAM教育の効果を検討するものである。 当初の研究計画では、高校の総合学科などの授業に協力して、STEAM教育のカリキュラム開発をおこない、それを用いた教育実践をおこない、生徒の学習などを分析する方法によって、前述の研究目的を達成する予定であった。しかしながら、コロナ禍において、高校における学習の遅れを取り戻すことが大切であることや、学外から定期的に校内に入構することへのハードルが高くなっていることなどから、当初の研究計画通りに研究を遂行することが困難な状態がこの2年間続いている。 このようなことから、研究方法をコロナ禍において現実的なものに修正することにし、主に文献研究を通して本研究の目的を達成するよう、文献の基礎的研究を積み重ねている。日本においては科学技術社会論、行動経済学、産業教育学、職業能力開発、教育政策、労働社会学や労働科学関連の文献をサーベイしている。また、海外の文献等では、EUのCEDEFOP(欧州職業訓練開発センター)が発行している資料や論文、Engineering Taxonomyなど理科や技術などの教科と職業に必要な知識・技能の対応関係に関する論文、ECVET(職業教育と訓練に関するヨーロッパのシステム)などにあたっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で高校等の学校現場で共同研究することが困難になっていることや、本務においてもコロナ禍でオンライン授業の準備など当初よりも当該研究にかけることができる研究時間に制約があり、計画通り研究が思うように進められていない。研究方法の見直しが必要になっていることから、学校現場との共同による実践的な研究方法を変更し、論文研究に切り替えて、論文作成に必要な情報の入手や、論理の組み立てに必要な先行研究のサーベイを進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究の最終年度であるが、研究方法を変更したことや、文献の基礎的研究を継続していることから、研究の継続を1年延長することを視野に入れて、今年度は文献研究をある程度網羅的におこないながら、論文作成に必要な論理の組み立てを検討する。 科学技術イノベーションに資する人材育成を視野に入れて、主に科学教育と職業教育の関連性の視座からSTEAM教育が育成するデザイン思考やエンジニアリングデザインプロセスなどの能力開発について能力の社会的構成/形成論を論理構成の台座にしながら考察を深めたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究目的を達成するために立案した当初の研究計画通りに研究を遂行することが困難になったことから、主に研究方法をコロナ禍においても実現可能な方法に変更して取り組んでいるところである。今年度は主にインターネットや本務先の附属図書館のサービスを活用することによって、先行研究や資料などの収集をおこなったことから、当初の予定の支出をおこなわなかった。 次年度は、研究内容を発展させて、成果の取りまとめに向けて研究を遂行する予定であるので、情報の整理に必要な人件費・謝金、学会発表にかかる物品費や旅費、校閲料などを支出 する計画である。
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Research Products
(1 results)