2022 Fiscal Year Research-status Report
反転・相互作用型授業における熟達者型問題解決教材の開発と効果の検証
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20K03210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 恒司 九州大学, 基幹教育院, 教授 (00202268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 健太郎 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (20525456)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 物理教育 / 問題解決 / 反転授業 / 相互作用型授業 / 熟達者的思考 / 意思決定理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、大学初年級レベルの物理学の学習において、熟達者的思考(Think like a Physicist, TlaP) の特徴的なパターンを初学者に学ばせるために、TlaP を模倣するワークシートを開発し、それを用いた授業実践を通して、その学習効果を検証することが目的である。 今までの授業実践で開発したワークシートを用いた授業実践を行い、学生が使用したワークシートのデータは取得した。当初の予定では、それらを定性的に解析する予定だったが、まだその解析は行っていない。 TlaP を模倣するワークシートでの学習を補助する手段として、意思決定理論における階層分析法(AHP)を用いて、学習者の(主観的な)思考を数値化することを考えている。この方法では、選択(意思決定)に対していくつもの判断基準がある場合に、それらの相対的な重要性を数値化することによって、選択者にとって判断が難しい選択を合理的に行うことができる。物理学の問題解決の思考プロセスやパターンは学習者自身にとっても言語化しにくいものであるが、この方法を用いることにより学習者の思考を客観的に評価することが可能になるのではないかと考えている。この客観的な思考プロセス・パターンの評価を学習者にフィードバックすることによって、より効果的に TlaP 思考を学習者に定着させる事ができると期待している。 本年度は AHP の基礎的な事柄についての理解は進んだが、これを学習過程のフィードバックとして用いることはまだ誰も行っていない応用であり、現時点ではわからないことも多い。特に実際の授業は漸進的に進むので、選択肢の作成が難しく、具体的なツールを制作するには至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
秋から大学での業務内容に大きな変更があり、研究に割ける時間が極端に制限されるようになった。 AHP はいくつかの評価基準の相対的な重要性を決定することによって、選択肢の中から最も合理的だと思われるものを選び出す方法である。この方法を物理学の問題解決の思考プロセス・パターンの抽出に役立てるという目的に即して考えた場合に、どのような選択肢を考えるべきなのか、現在の段階では良くわからないでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
あまり一般的・汎用的な方法の開発を考えず、個々の物理の問題に対して AHP ツールを作成し、それを授業実践で試して良し悪しを評価するという、泥臭い方法で開発を行おうと考えている。
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Causes of Carryover |
ここ数年の新型コロナウィルス感染症の流行によって、旅費等の研究費を使用できない状況が続き、研究助成金の使用が累積的に滞っているためと、大学での業務内容の変更により、研究に割り当てられる時間が制限されたことが主な理由である。
今後は助成期間の延長を視野に入れつつ、開発したシステムの実装(もともとこれに多くの助成金を使用する予定であった)を行う。
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