2020 Fiscal Year Research-status Report
工学教育おけるデザイン学習達成度の定量的・定性的評価手法の提案および検証
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20K03213
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
見崎 大悟 工学院大学, 工学部, 准教授 (00361832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 工学教育 / デザイン教育 / 認知心理学 / チームワーク / オンライン教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はデザイン教育に関する学習達成度の評価方法の提案および検証,システムの設計開発をおこなった.当初は,大学のデザインに関する講義で,デザイン活動をおこなう学生個人やチームの動画解析法の開発から開始する予定であった.しかし,コロナ禍の影響により,2020年度のほぼすべての講義がオンラインでの実施となったため,まずはオンラインでの講義からでも取得できるデータの分析手法の開発・検討をおこなった. デザイン能力の習得は,多様なメンバーで構成されるメンバーの一員として解決すべき問題を認識する能力を習得することであると定義し,オンライン講義でのデザイン活動におけるチームワークについて調査・分析をおこなった.アンケートによる調査は,講義の最終回に実施するものであり,チーム活動時の各自の活動を十分に評価することが困難であるため,リアルタイムでデザイン活動を評価する方法の検討をおこなった. 所属大学の遠隔講義の基本的な方針に沿って,講義はオンラインでの実施かつカメラはオフにして講義をおこなったため,デザイン活動でのチーム活動の動画分析は2020年度の実施は困難であったため,過去に録画してある講義画像をもちいて分析手法の検討をおこなった.また,2020年度の計画にあった,リストバンド型のシステムにより皮膚電気活動(Electro Dermal Activity)を計測する手法の開発および基礎実験に加えて,オンライン講義でのチーム活動を録音して,その音声データから,会話の内容と感情との相関を評価する手法の提案および実験をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響により,研究対象となるデザイン講義に参加する学生グループの動画によるチーム活動の挙動解析が実施できなかったが,この手法が実施できなかった場合の代案として想定していた,音声データをもちいた解析を実施し,この成果は2021年度に論文発表の予定である.デザイン活動において,音声のみのコミュニケーションという制約を設けることで,これまで見えてこなかった本質的な部分についても議論をすることができた.研究協力者や学会における同分野の研究者とは,オンラインでの学会や個別のオンラインミーティングを活用して有効な議論をすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の基礎実験で動作を確認したシステムを,より多くの被験者に利用できるようシステムの改善・評価をおこなう.2021年度は対面での講義が再開されるため,デザインチームの活動に関するデータ取得もあわせて実施をおこなう. Design Researchの手法(エスノグラフィックリサーチなど)と作成したシステムをもちいてデザイン講義チーム活動での学生の動的な挙動について研究をおこない,個人の活動だけでなく,チームとして多様性を受け入れてデザインをする時のエンジニアの振る舞いを明らかにしていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍における,国内外の出張ができなかったため次年度利用額が発生した.ZOOM等のオンラインコミニケーションを積極的に活用しているが,対面による議論も重要であるため2021年度後半より,出張をともなうフィールドワークや研究打ち合わせを再開する予定である.また,実験に関する機材は,2020年度のフィジビリティースタディーで有効性が確認できたため,その結果に基づいて,2021年度実験に必要な機器を購入していく.
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Research Products
(3 results)