2023 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づく判断と選択に着目した健康情報リテラシー教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20K03215
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 慶惠 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (60852431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 真司 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (90211531)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 健康情報リテラシー / 科学的根拠 / 判断と選択 / 批判的思考 / 保健教育 / 信念バイアス / コロナ禍での健康情報 / ICT教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、情報化が進展する現代社会において、健康に関する情報を批判的に吟味、判断して、適切な情報を選択する健康情報リテラシー教育の方法を開発し、効果評価を行うことで、学校における健康情報リテラシー教育について検討を行った。その結果、批判的思考欠如モデルの効果と限界を明らかにし、健康情報の信頼性を吟味するための批判的思考と健康情報の判断に影響を及ぼす信念バイアスの修正の条件を取り入れる健康情報教育モデルを提案し、一定の成果が得られた。 しかし、本研究が提案した「健康情報リテラシー教育」が、子どもたちが日常生活で接する多様な媒体、多様な内容の健康情報に対しても適切な判断、選択をするために運用できるか、健康情報の内容や種類を変えた比較検討が必要であり、今後の重要な課題である。 また、授業時間数の削減などにより保健教育に十分な時間を確保できない学校の現状と、今後起こりうる新たな健康課題にも対応するためには、健康課題毎に保健教育を行うのではなく、子どもたち自身が健康情報を収集、批判的に吟味し、科学的根拠に基づいて適切な情報を選択し、健康課題の解決に活用する本研究の「健康情報リテラシー」教育を活用することが有効と考える。そのため、本研究の健康情報リテラシー教育を一般化することが、重要な課題である。 以上のことから、今後、発達段階に応じた実効性の高い健康情報リテラシー教育を、具体的な教材とともに提案していく必要がある。本研究においても、「科学的根拠に基づいて健康情報を吟味、判断、選択するプロセスを実際に体験して学習できる教材と授業の流れ」「学校での実行可能性を高めるための、学習過程を『見える化』した学習冊子」と「学習冊子をもとに展開する授業モデル」を試作したが、ICTを活用することで、より実効性の高い教材として修正、提案していくことが今後の課題となった。
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