2021 Fiscal Year Research-status Report
科学用語の共起ネットワーク分析による数学・理科・情報の教科間全体の構造について
Project/Area Number |
20K03220
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
坂谷内 勝 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (70187053)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 科学教育 / 科学用語 / 共起ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数学・理科・情報(技術)の教科間全体の構造を、科学用語の共起ネットワーク分析を行って明らかにすることである。本研究で分析する科学用語は、過去の教科書と、2020年度から開始する学習指導要領に準拠した教科書から収集する。今年度は、中学校の教科書から収集した科学用語について分析を行った。 各教科の科学用語数は、数学が少なく、理科が多い。これは、現在、10年前、20年前の教科書に共通している。現在の数学、理科、技術の科学用語数は、10年前と比べてすべての教科で減少している。数学は、既出の科学用語が多く、消失数の方が新出数より多い。理科も、既出の科学用語が多く、消失数の方が新出数より多い。技術は、新出と消失の科学用語が多く、既出数が少ないのが特徴である。 数学の新出の科学用語は12件、消失の科学用語は30件である。理科の新出の科学用語は46件、消失の科学用語は62件である。技術は、時代の移り変わりの影響で、新出と消失の科学用語が数学、理科と比べて多い。 現在の数学、理科、技術の3教科に、共通して出現する科学用語はない。2教科に共通して出現する科学用語は13件である。この内、10年前も2教科に共通して出現したものは8件である。 文字数が多い科学用語を調べると、数学で最も多い科学用語は「無作為に抽出すること」(10文字)、理科では「フレミングの左手の法則」(11文字)と「力学的エネルギーの保存」(11文字)、技術では「ガスコージェネレーションシステム」(16文字)である。技術は、数学と理科と比較して文字数が多い傾向にある。技術の科学用語が長いという特徴は、10年前と20年前の教科書でも同様なことが言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科学教育の専門家との研究打合せ等の出張ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の出張ができるようになったら、本研究に関連する学会等が開催する会議に積極的に参加し、情報収集と研究発表を行って、本年度の研究の遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
科学教育の専門家と研究打合せするための出張ができなかったため。次年度は積極的に国内外の専門家と研究打合せを行うために出張する予定である。
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