2022 Fiscal Year Annual Research Report
科学用語の共起ネットワーク分析による数学・理科・情報の教科間全体の構造について
Project/Area Number |
20K03220
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
坂谷内 勝 国立教育政策研究所, 研究企画開発部教育研究情報推進室, 総括研究官 (70187053)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 科学教育 / 科学用語 / 共起ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数学・理科・情報(技術)の教科間全体の構造を、科学用語の共起ネットワーク分析を行って明らかにすることである。本研究で分析する科学用語は、過去の教科書と、2022年度から開始する学習指導要領に準拠した教科書から収集する。今年度は、高校の教科書から収集した科学用語について分析を行った。 過去2回の学習指導要領の改訂は、現在から約20年前の平成10~11年改訂(高校は平成15年度実施、以下「20年前」と呼ぶ。)と、平成20~21年改訂(高校は平成25年度実施、以下「10年前」と呼ぶ。)である。収集した科学用語の数は、20年前は2511件、10年前は3289件、現在は3454件で、総数は9254件である。 科学用語数は、各教科の中で、数学が一番少ない。これは、現在、10年前、20年前の教科書に共通している。科学用語の総数の変遷は、20年前、10年前、現在の順に増加している。増加率は、20年前から10年前は約30%の増加、10年前から現在は約5%の増加である。20年前から10年前の大幅な増加は履修時間の増加に起因している。 20年前と比べて現在の科学用語数が最も増加した教科は生物(486件)、以下増加した順に、化学(275件)、物理(197件)、数学(80件)、地学(23件)である。地学は10年前に減少し、現在は増加している。情報は他の教科と異なって、20年前、10年前、現在と順に減少している。 数学用語の文字数を調べると、文字数の平均は3.6文字である。物理、化学、生物、地学の科学用語の文字数の平均は約4文字、情報の科学用語の文字数の平均は約5文字である。 数学用語の文字数が少なく、情報の科学用語の文字数が多いのは、カタカナ表記の用語が含まれる割合に起因すると考えられる。
|
Research Products
(1 results)