2021 Fiscal Year Research-status Report
探究的な学習の指導力向上を図る高校理科教師向けのチュートリアルの作成
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20K03224
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
日置 英彰 群馬大学, 教育学部, 教授 (00208737)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 理科教育 / 探究的な学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の検討で生徒に配付する資料や,準備する実験器具や試薬など,授業プログラムの内容を固めることができた.そこで本年度は高校1年生128名を対象に,開発したプログラムに沿って授業を行い,仮説の設定,計画の立案,振り返りに特に焦点をあてながら,探究的な学習活動の一連の流れが習得できる学習プログラムになっているかどうか,詳細に検討した. 授業では15分の導入の後,課題(なぜ腸溶錠は胃で溶けず腸で溶けるのか)を提示した.その後は生徒は3から4名の班に分かれ,班の中で話し合いながら75分間探究的な学習活動を行った. 生徒への質問紙調査とワークシート分析から本プログラムの有効性を検証した.仮説はねらい通りひとつに定まらず,3つの仮説が提案され,ほとんどの班がそれぞれの仮説を証明するための妥当な実験計画がたてられていた.くすりを砕く,試薬を混合する,加熱するなどといった簡単なものが立案され,技術的に無理なく実験が行われたことがみてとれた.生徒への質問紙調査では,授業プログラムについて「少し簡単」と答えた生徒が16%,「少し難しい」と答えた生徒が69%であった.「授業はわかりやすかったか」との質問については.「とてもそう思う」と答えた生徒が75%,「ややそう思う」と答えた生徒が24%であった.以上の結果から本プログラムは,少し難しいが生徒は内容をほぼ理解できたと感じており,ねらい通りの難易度に設定できたと考えている.本プログラムは適切な対照実験を立案しないと課題を解決することができない.「対照実験の重要性を実感したか」の質問に対しては「とてもそう思う」と答えた生徒が94%.ややそう思うと答えた生徒が6%との結果となり,こちらについてもねらい通りの結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり,高校生1年生を対象とした授業実践から概ねねらい通りの授業プログラムが開発できたことがわかった.しかし一方でコロナウイルス感染拡大のため,高校生を対象に授業できる回数が限られてしまい,プログラムのブラッシュアップを十分に行うことができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本プログラムでは,反応温度や反応時間も生徒自身が決定するため,加熱時間や加熱温度の違いといった細かな実験条件の違いが実験結果に大きく影響し,同じような実験を行っても班によって結論が真逆になってしまうということもあった.限られた時間の中で班を越えた実験結果の共有をどのように行うか検討する必要がある.授業プログラムの改善を図りながら,本研究課題の最終目標である教師向けのチュートリアルの作成を急ぎたい.
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大のため,高等学校で授業を行ったデータをとることが難しい状況が続いたため研究の進捗状況に遅れが生じ,予算を繰り越す状況となった.研究のスピードアップをはかりたい.
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Research Products
(2 results)