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2022 Fiscal Year Research-status Report

数式検索技術を核とした数学学習援用システムの開発とその学習分析

Research Project

Project/Area Number 20K03225
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

宮崎 佳典  静岡大学, 情報学部, 教授 (00308701)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 省作  立命館大学, 文学部, 教授 (00325549)
中村 泰之  名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70273208)
新谷 誠  静岡大学, 情報学部, 教授 (70303526)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords数式検索 / 学習援用 / 学習分析 / STEM教育 / 学習履歴
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,数式検索システムおよび数学学習援用環境の構築である.これは,STEM教育ならびに数理・データサイエンス教育が世界の潮流となりつつある中,同教育を実践する上では必要不可欠な数式に対して苦手意識を抱く者が多いことに対し,数式をベースに開発された数学学習援用環境を学習者や教育者に提供するものである.具体的には,数式変形の行間が読めない学習者に①変形の根拠となる公式へのアノテーション(注釈付与)機能,数式を解釈できない学習者に②(与式内の)学習項目要素の提示機能,数式展開に苦労する学習者に③適用可能な公式の自動表示機能を統合的に構築することで数学学習の足掛かりをサポートする.これら①②③を実現するために必要な,曖昧検索を含めた数式検索も基盤技術として確立することが初年度におおよそ課せられた課題であり,無事に終了した.数式検索技術は現時点でプロトタイプ作成が概ね終了し,一定の成果も得られていると考えているが,一方で,3年目を迎え,同機能に対応するアルゴリズムを精査する中でバグも複数見つかっており,2年目より改善策について検討しているものも完了したものも混在している.さらに,我々は自己開発した数式検索システムの応用として,変形されていく数式に対し,公式適用箇所をその公式名とともにアノテートする“変形依拠公式提示機能”の開発を進展させた.一方で,事前登録した公式に代数的変形が施された上で適用する例として数式処理システム(CAS)のWolfram Alpha(API)を利用した先行研究があるが,その範囲は限定的であり,他のCASの有力候補としてSympyを取り上げ,カバー率向上を実現させたが,同時に処理速度の低下が確認されたため,実用可能性の高い同機能への拡張を目指している.さらに3年目は,AI技術を適用した,数式内の記号に対する意味推定の技術開発について取り組んでいる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の目的は,数式検索システムおよび数学学習援用環境の構築である.3年目に課せられた課題は,2年目に引き続き,具体的な数式変形の行間が読めない学習者に①変形の根拠となる公式へのアノテーション(注釈付与)機能,数式を解釈できない学習者に②(与式内の)学習項目要素の提示機能,数式展開に苦労する学習者に③適用可能な公式の自動表示機能を統合的に構築することで数学学習の足掛かりをサポートする,を実現するために必要な,数式の検索技術確立を評価・検証も含めた作業を実施し,実用可能なレベルで使用可能かどうかについても検討していくことである.一方で,新型コロナの影響により,各機能のユーザ実験に対して手をこまねいている状況であるため,その実効性が評価するには至っていない.また,2020年度,2021年度同様に2022年度も,新型コロナウィルスが世界中に猛威を振るい,国際学会が中止・延期などされることもあり,または開催形態が大きく異なることで発表断念を余儀なくされたことなどもあり,(発表の場が少ないことに伴う)思うように研究業績を伸ばせなかったことも事実である.また,4月に予定していた本プロジェクトのキックオフミーティングもコロナ禍における混乱の中,開催(かつオンラインにせざるを得なかった)の予定が大きく狂ったことも事実である.本プロトタイプシステムの実証実験も実験協力者に依頼する形での実施は実現できなかった.そのような環境下においても,限定されたリソースや時間を調整したが,結果プロジェクトミーティングは2回実施することができたのみ(1度はオンラインミーティング,もう1度はメールによる審議)であったため,総合的に判断し「(3)やや遅れている」の評価とした.また,そのような状況を鑑み,研究期間を一年延長し,すでに認められていることもここに付記する.

Strategy for Future Research Activity

前項でも“【現在までの進捗状況】”について「やや遅れている」と評価しているように,申請時から予定通りに事業は進んでいるとは少々ゆかず,やはり上述のように当初の計画に対し,研究期間を一年延長し,すでに認められている通りではあるが,機能③は引き続き4年目に開発し,評価・検証フェーズは4年目終盤に行う.これら単体テストの後,数学学習援用システムとしての総合テストに移行し,総合評価・検証によりシステムを完成させる.フィードバックは各フェーズにおいて随時集中的に行う.数式検索技術は現時点でプロトタイプ作成が終了し一定の成果を得ている一方で,数式ならではの正規表現を加味した検索も視野に入れる必要がある.そのような場合は数式処理システムをバックグラウンドで起動・処理することも考案している(すでにWolframAlpha APIやPythonベースのSimpyを実装している).実用化に向けては,数式の前後に存在する自然言語で書かれた情報等も加味した数式語義曖昧性解消の技術は不可欠と考えており,自然言語処理を専門とする研究分担者(田中)から知見を得る.依拠公式表示,数式変形援用の両機能は学習履歴の取得,学習者の行動履歴から理解度測定まで試みる.研究分担者(中村)はWeb上の数学コンテンツ,特に作題システム開発に長年従事しており,学習履歴取得方法のみならず,その評価方法も含めた包括的な共同開発をすでに開始している.学習項目抽出機能は,その公式データベースの拡充のみならず,学習項目の洗い出しも必要となり,現在不足している線形代数の領域を長年考究する研究分担者(新谷)の力添えを受ける.さらに本プロジェクトに関連する実験は静岡大学情報学部ならびに国内大学理系学部を中心に考えており,実験デザインの構築には常日頃から数学科目を共同で教え,密に連絡を取り合う新谷との連携を中心に進めていく.

Causes of Carryover

学内業務が多忙を極め,予定していた研究活動に従事することが十分に叶わなかったため.また,コロナ禍が原因で海外出張などがいずれも取り止められたため.

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Analysis of students' answer process based on STACK answer data2022

    • Author(s)
      Y. Nakamura, M. Kawazoe, S. Higuchi, Y. Miyazaki, K. Yoshitomi, T. Nakahara
    • Journal Title

      The international conference on E-Assessment in Mathematical Sciences (EAMS2022)

      Volume: なし

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

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