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2021 Fiscal Year Research-status Report

探究を通した深い学びのための理科教師の教材知と学習知に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K03233
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

渡邉 重義  熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (00230962)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords探究 / 教材知 / 学習知 / 理科学習 / 教員養成
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度は昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって学校現場での調査、教員を対象にした調査が困難であった。したがって、教員養成段階に焦点を当てた教材知・学習知の研究と探究活動の教材開発を通した教材知と学習知の融合に関する研究を行った。研究成果は次の通りである。
1.理科教師として必要な資質・能力の調査を大学生に対して行い、令和2年度の結果と合わせて分析を行った(n=162)。その結果、理科の教員養成が始る段階では教師が説明して生徒に理解させる能力と回答した大学生は59.9%、「面白い」または「楽しい」という用語を用いた大学生は28.4%、「学び」または「学習」という用語を用いた学生は14.8%であった。理科教員養成の講義で学習論について学んだ後の大学生(n=82)に対して学習者が主体的に学ぶ方法を質問したところ、「疑問」「問題」や「好奇心」が学習者の主体的な学びの鍵と考えるようになり、学習者の学びを補助するという教師の役割を説明できるようになった。しかし、教材知と学習知がつながるような視点は認められなかった。さらに教員養成が進んだ段階の大学生(n=51)に対して具体的な教材である「水圧」「浮力」の学習が成立するために必要となる知識を質問したところ、①教材に関する基本的な知識(63%)、②教材が関係する日常の事象や場面に関する知識(55%)、③教材に関係する学習のつながりに関する知識(31%)、④教材を学習するための教材の準備、教具の使用方法、実験方法の適切性に関する知識(24%)が取り上げられ、具体的な学習を想起して教材知が説明されることもあったが、教師が生徒に説明するという文脈で教材知の必要性が記述されることが多かった。
2.豚足を利用した探究学習や生物の分類に関する教材開発を行い、「比較する」「分類する」「推論する」などのスキルの育成との関連づけを提案した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症が蔓延したことにより、学校現場および現職教員を対象にした調査が実施困難であったため、教員養成段階に関する調査しか行えなかった。学校現場が混乱して多忙なときに調査の依頼はできない。また、所属する学部の教務委員長職にあったため、令和3年度からの学部改組の準備や、新型コロナウイルス感染症対策に追われ、それらの実務に時間を割くことが多く、研究のための時間が確保できなかったことも研究の遅れの原因になっている。さらに令和3年の8月に父親が死去したため、私事により研究に支障がでる期間があったことも研究の遅れの一因になっている。

Strategy for Future Research Activity

本年度の研究では、「探究」の学習を導くことを目的とするなかで教材知・学習知の調査研究を深めていく。
教員養成段階を対象にした調査研究では、学習指導案の作成や教育実習における授業実践の経験と教材知・学習知の関係について調査・分析を行う。
現職教員を対象にした調査研究については、令和4年度も新型コロナウイルス感染症の影響が予想される。そこで①リモートなどによる遠隔通信を用いた教員個人へのインタビュー調査、②熊本県の教育センターで行われている教員研修などと連携した調査研究、および③具体的な教材に関する授業構想や実践記録の分析を通して、探究を導くための教材知と学習知のつながりに関する研究を実施する予定である。
また、小学校理科および中学校理科の具体的な教材について、教材研究や授業構想を行うときの教材知・学習知の使われ方を調べる。
さらに本年度は研究の最終年度であるため、研究成果をもとにして、教材知と学習知の融合を図るための理科教員養成の内容と方法や、理科教員研修のための方策を提案する。

Causes of Carryover

令和3年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延により、学校現場を対象にした調査研究が行えなかった。また、研究成果の発表等で参加する予定であった学会がすべてオンラインでの開催となった。したがって、調査・研究のための旅費の使用がなかったため繰り越し金が生じた。また、現職教員の教材知・学習知を調査するうえで、教材研究等を行う予定であったが、そこで必要となる物品費も予定通り購入することがなかった。
令和4年度は、教員養成や教員研修に関連した教材研究を行うとともに、移動制限がなくなった場合においては、調査研究や研究発表の旅費を使用し、適切な研究費の執行を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 探究を通した深い学びを導く理科教師の教材知・学習知に関する研究1:教員養成における大学生の実態調査2021

    • Author(s)
      渡邉重義
    • Journal Title

      熊本大学教育学部紀要

      Volume: 70 Pages: 229-236

    • Open Access
  • [Journal Article] 探究を通した深い学びのための理科教師の教材知と学習知-理科教員を目指す学生が求める資質・能力-2021

    • Author(s)
      渡邉重義
    • Journal Title

      日本理科教育学会全国大会発表論文集

      Volume: 19 Pages: 189

  • [Presentation] 生物の分類で何を学ぶのか-トカゲ・カナヘビ・ヤモリ・イモリの比較観察に基づく分類の学習ー2022

    • Author(s)
      渡邉重義,田島瑞希
    • Organizer
      日本生物教育学会第106回全国大会
  • [Presentation] 探究を通した深い学びのための理科教師の教材知と学習知-理科教員を目指す学生が求める資質・能力-2021

    • Author(s)
      渡邉重義
    • Organizer
      日本理科教育学会第71回全国大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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