2022 Fiscal Year Research-status Report
小中高大の接続を意識したプログラミング教育教材と利用モデルの研究
Project/Area Number |
20K03234
|
Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山川 広人 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 講師 (90724732)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松川 浩 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (10305956)
長谷川 理 武蔵野大学, データサイエンス学部, 講師 (30647102)
上野 春毅 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 助手 (40948337)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 教材整備 / プログラミング教育 / 小中高大接続 / プログラミング的思考 / Pythonプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,発達段階とそれぞれの段階間の接続を意識した小中高大のプログラミング教育体系に応じる教材の整備および利用法の確立を目的としている.これに向け,これまでに整備してきたレベル別教材に関する研究報告や,高校・大学の現場教員等の意見を反映した教材拡充を行なった. レベル別教材の効果の研究報告では,分野が異なる2大学でレベル別教材の試用を継続し,この結果を学会等で報告した. 現場教員の意見に基づいた教材拡充では,高校教員の協力による教材の確認とインタビューを行った結果から,高校の教育現場や個別学習での利用を目指した教材の拡充を行なった.特に,高校の教育現場から見たプログラミング教育の課題として,大学入試対応の重要性が明らかになった.このため,特定のプログラミング言語を用いた教材だけでなく,大学入学共通テストなどで用いられる擬似言語や擬似的表記を用いたプログラミングについて,生徒がレベルの判定やその結果に基づいた学習を行える教材の必要性を新たに認識し,2023年度より展開できるように教材の拡充に取り組んだ.さらに,大学の教育現場からの観点から、高校情報と大学初年時の数理・データサイエンス・AI教育と関連づけた発展を視野に入れ,Pythonプログラミングとデータ分析手法を結びつけたレベル別教材の拡充にも取り組んだ. しかしながら,教材の整備を進める一方で,教材の評価や利用法の検討に必要な実践環境の規模拡大には計画よりも進んでおらず,一部の学校段階の生徒・学生によるモニターとしての利用にとどまっている.教育現場と連携した実践環境の構築が引き続き重要な課題であると認識している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の教材の整備は,計画どおりに進んでいる.過年度に整備した小中高校レベルのプログラミング教材に加え,2022年度は大学入試共通テスト対応や数理・データサイエンス・AI教育の側面も見据えた教材の着手に展開し,2023年度より利用できるように拡充を進めている. その一方で,教材の実践事例に基づいた利用法の検討に関しては,計画に対し遅れが生じている.計画当初は,小中高大などの各学校段階の教育現場に広く教材を展開し,その上で実践に基づいた利用法や利用モデルを検討すること目標としていた.しかしながら,ステークホルダーを通じた教材の周知を行なったものの,教育現場や小中高校生による実利用環境の拡充につなげられておらず,今年度までの実践は中学校1校と2大学における限定的な学生のモニター利用にとどまっている.教材の利用法の深い検討につなげるためにも,ステークホルダーや教育現場との連携をより強化する必要がある.
|
Strategy for Future Research Activity |
整備した教材の効果検証の継続および実践環境を拡充した形での利用法や利用モデルの実現に注力する.具体的には,ステークホルダーの中でも地元の教育委員会等とより具体的な教材実践フローを検討し,小中学生を対象にした実践環境の構築に努める.また,大学入学共通テスト対応の教材の展開を足がかりに,高校生を対象とした実践環境の構築も併せて努める.これにより,利用実践の環境の不足を補えると考えている.さらに,過年度までの成果とともに実践成果をまとめ,国際学会等での報告にも取り組む.
|
Causes of Carryover |
進捗状況の遅れから,対外での国際学会等での発表を十分に行えていなかった.今年度はこれまでの成果も取りまとめた形での国際学会の成果発表を図る.また教材へのフィードバックに基づく修正・調整についても継続した実施を図る.
|
Research Products
(3 results)