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2021 Fiscal Year Research-status Report

臨床工学科学生の理解を深める実践的生体情報計測実習装置の開発改良と教育実践

Research Project

Project/Area Number 20K03235
Research InstitutionKomatsu University

Principal Investigator

八賀 正司  公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80123305)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 秋口 俊輔  富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50462130)
経田 僚昭  富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50579729)
義岡 秀晃  石川工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80259845)
坂元 英雄  公立小松大学, 保健医療学部, 講師 (90746033)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords臨床工学 / 教育実践 / 生体情報計測 / 実習装置
Outline of Annual Research Achievements

現在、工学の発展とともに、医療機器は高度化し、多種多様化している。臨床工学技士はその発展に対応し、医療機器を適切に使用しなければならない。しかし、限られた時間の中で数多くある医療機器の原理や操作方法を習熟することは大変難しい。本研究では、実践的教育実習装置の一つである脈拍測定実験装置の開発改良を行う。医用システム工学実習という授業において、学生が自分で製作した脈拍測定実験装置を用いてSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を求める実習を行っている。その授業の教育効果を高めるために、アンケート調査を行い、脈拍実験装置の改善案を出し検討を行った。「①測定方法の透過型と反射型の違い、②接触圧が測定値に与える影響、③計測部位が指先又はオデコでの違い等」の理解度向上を目標に教育実践を行った。①の場合、透過型では測定部位を挟む必要があるが、額や首、足首は挟むことが難しい。そのため、どの部位でも測定ができる反射型脈拍計の利点が理解でき、透過型脈拍計と反射型脈拍計の違いの理解が深まっっていると考える。②と③の場合、額と指先を測定した際、指先は柔らかいため、接触圧を感じにくいのに対し、額は固いため、接触圧を感じやすく、接触圧と測定値と比較することができ、センサへの接触圧が測定値に与える影響の理解が深まったと考えている。この教育実践の際、基板作成に多大な時間がかかるので、基板作成を実習授業に取り入れることは難しいと考える。ブレッドボードの方が基板よりノイズが乗ってしまうと考えていたが、基板で測定するときとの差が少ないので、センサ部分は基板で作業し、オペアンプなどの回路部分はブレッドボードに組むということをすれば、作成時間を少なくでき、より理解度を高められることも確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

体験型教育実習装置(超音波エコー診断装置・脈波計)を学生自ら作成し、自分で作った実習装置を使った教育を実践した。それぞれの実習の前後に意識と知識に関するアンケート調査を実施した。学生は測定原理の理解+繰り返し練習+臨床での測定誤差を再現+測定値に与える影響を理解させることが出来た。
アンケート調査結果を詳しく解析し、実習装置の理解度・教育効果の分析を行った。アンケートの項目は、Q.1 実習装置全体の理解度、Q.2 指導書の分かりやすさ、Q.3 練習問題の解けた問題数、 Q.4 問題の難易度、Q.5 実習装置の構成についての理解度 である。
アンケートの調査結果の分析から教育効果の確認・取り組みと体験型教育実習装置の改良を行った。
以上から、体験型生体情報計測の教育実習装置の質を向上させ、計画調書の内容に沿った教育実践を行い、理解度、本実習の有用性、実習の難易度等についてのアンケート調査も行うことが出来ている。実習装置の改良としては、脈拍計を使って酸素飽和度を求める際に、補正したキャリブレーションカーブを使うと、真値(市販の装置での実測値)に近い値を求めることが出来た。新たに改良した実習項目として、脈拍センサーに指を置くときに、指の周り迷光の影響の信号変化(SN比)も記録させることが出来た。

Strategy for Future Research Activity

大学院のヘルスバイオエンジニアリング特論の科目では「第1回:医療用センサの工学技術(各種生体用センサ)、第2回:生体の光学特性とパルスオキシメータ、第3回生体の音響特性と2D可視化」 の内容で講義を行った。授業の中で本研究テーマの実践的生体情報計測の実習装置を使った見える化を取り入れた。
学生の評価としては①実験を交えるので授業が分かりやすい、②講義に実験も多く結果がすぐにわかるので楽しく受講することが出来る;などの授業評価も得られている。

Causes of Carryover

10,960円の未使用額が生じた。
理由は、予定していた材料が入手できなくなったためである。
この額は、令和4年度の物品費の一部に充てる予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results)

  • [Journal Article] Array formation by Ultrasound standing waves with solidification of liquid-suspended micro-particles2021

    • Author(s)
      Tomoaki Kyoden, Hideaki Yoshioka, Noboru Momose, and Tadashi Hachiga
    • Journal Title

      Journal of Applied Physics

      Volume: 130 No.19 Pages: 195109-1-9

    • DOI

      10.1063/5.0068551

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Deep Learning Method for Extracting Areas of Cancer Cells Using Microscope Images2021

    • Author(s)
      Taiki Terabayashi, Shunsuke Akiguchi, Tmoaki Kyoden, Tomoki Tajiri, Tsugunobu Andoh, and Tadashi Hachiga
    • Organizer
      Abstracts of 6th STI-Gigaku 2021, STI-3-18, (22nd, October 2021).
  • [Presentation] 近赤外光による皮膚癌血流画像を用いた深層学習診断2021

    • Author(s)
      寺林大樹,秋口俊輔,経田僚昭,百生登,安東嗣修,八賀正司
    • Organizer
      2021年度日本伝熱学会北陸信越支部春季セミナー
  • [Presentation] 超音波定在波を付与した過冷却懸濁液の凝固2021

    • Author(s)
      義岡秀晃,経田僚昭,八賀正司
    • Organizer
      第58回日本伝熱シンポジウム
  • [Presentation] 細胞培養における深層学習を用いたコロニー領域の抽出2021

    • Author(s)
      寺林大樹,秋口俊輔,経田僚昭,百生登,安東嗣修,八賀正司
    • Organizer
      2021年度日本伝熱学会北陸信越支部秋季セミナー
  • [Presentation] Bi-Sn合金の相変化過程における音速挙動と状態計測への応用2021

    • Author(s)
      小谷悟,義岡秀晃,経田僚昭,八賀正司
    • Organizer
      2021年度日本伝熱学会北陸信越支部秋季セミナー
  • [Presentation] 血流の方向判別機能を有する多点同時流速分布計測システムに関する研究2021

    • Author(s)
      嶋﨑凌, 秋口俊輔, 経田僚昭, 田尻智紀, 安東嗣修, 八賀正司
    • Organizer
      Japan ATフォーラム

URL: 

Published: 2022-12-28  

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