2022 Fiscal Year Research-status Report
サイバーセキュリティの鎧をまとう非情報系技術者育成のための教材開発
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20K03241
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 悟 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40249777)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイバーセキュリティ / 工学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会において,すべての領域においてサイバーセキュリティへの対策は必須となっている.特に,サイバー攻撃者が狙う標的は,高度な知識・技術力を持っ た技術者の有する情報であり,今後育成すべき技術者像は,サイバー空間において自らの知識や技術,さらには構築したシステムを守る能力を持つ,いわばサイ バーセキュリティの鎧をまとう技術者であると言える.しかし,情報系を専門としない分野を志す学生や教育機関にとって,そうした知識を得るための時間的, 金銭的なコストはあくまでも付加的なものであるという意識が高い.また非情報系分野の学部,学科において,サイバーセキュリティを教授する教員があまりい ないというのが現状である.本研究では,そうした背景のもと,サイバーセキュリティの鎧をまとう非情報系技術者を育成するために,サイバーセキュリティの 要素を組み込んだ様々な専門分野の一般的な実験・実習装置を開発することを目的とする. これまでに,実験教材として,電気・電子および機械系を学ぶ学生のための教材として,機能性デバイス作製装置およびシーケンス制御実験装置を作製した.両 装置ともに,産業用制御として広く用いられているPLC(programmable logic controller)によって制御される.特にシーケンス制御実験装置は,オープンソース プ ロジェクトとして開発されているOpenPLCを利用した.OpenPLCを利用することにより,守秘義務や製品として流通しているPLCの脆弱性などを配慮することな く,サイバー攻撃のデモを行うことができる. これまで,RaspberryPi上にOpenPLCランタイムによるハードウェア制御およびヒューマンマシーンインターフェイスなどを構築し,セキュリティサイバーレンジを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
半導体不足による世界的な電子部品およびRaspberry Piの納入の遅れなどがあり,開発に支障が生じている.そこで,OpenPLCランタイムが動作するArduino WiFiを利用し,簡易的なサイバーレンジを構築している.
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Strategy for Future Research Activity |
サイバーレンジの試作機は完成しており,それを学生実験に導入済みである.そこで得た知見を開発にフィードバックさせていく予定である. また,本教材での教育実践の成果を国際会議で発表する予定である.
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足の影響で,開発に必須な装置であるRaspberryPiの納期が一年以上となっていた.
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