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2022 Fiscal Year Research-status Report

植物の表現型可塑性に着目した環境教育教材開発のための基礎研究

Research Project

Project/Area Number 20K03246
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

佐野 史  群馬大学, 教育学部, 教授 (30313018)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsオオカナダモ / 休眠 / 発根
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、学校教育で細胞の観察や光合成の実験に汎用される外来生物であるオオカナダモが、環境変化に応じてどのような表現型可塑性を示すのか、また可塑性を示すのにはどのような環境条件の変化が必要なのかを明らかにすることを目的とし、子どもたちが外来生物の「強さ」を実感をもって認識し、生物多様性やそれを維持する環境保全の重要性について考えることができる、環境教育の観察・実験用教材を提案することを最終目的としている。具体的な研究計画として、①環境の悪化に対して休眠芽を形成して耐えること、②環境条件によって発根してその場への定着を図ること、③主に水中の溶存二酸化炭素濃度に依存して光合成様式をC3からC4に変えることの3点に着目し、これらの可塑性を短期間で最大限発揮する条件とそのときの変化の詳細を明らかにしたいと考えている。
①の休眠芽の形成については、栽培中の光条件と温度条件を変えることで形成が促進されることを期待していたが、うまく条件を見つけることができなかった。また、栽培容器の形状によって影響を受ける可能性が見出されたが、再現することができなかった。②については切れ藻となる際に発根が促されるため、側芽が成長する条件を特定することを考えた。そのため、個体を切断して人為的に切れ藻の状態にするなどの処理を行ったところ、ある程度の発根は見られたが、側芽が成長しても発根がないケースもあった。また、①の検討の過程で、光照射時間を変化させることによって発根が促されることが示唆された。③については予備実験では効果があった市販の炭酸水添加の影響の再現性がとれなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

休眠や発根といった表現型可塑性を引き出すために光や温度など単一条件を変えることで検討してきたが、適当な条件が特定できていない。複数の条件を組み合わせないと表現型が変わらないのかもしれない。また、今年度は突発的なライフイベントや栽培機器の故障により実験を中断せざるを得ないことがあり、十分な検討が行えなかった。これらのことから研究が遅れてしまっている。

Strategy for Future Research Activity

①については光と温度の双方の組み合わせで条件検討を行う。②については光照射時間の変化が発根を促す可能性が示唆されたため、個体の切断と組み合わせて条件検討を行う。また、光強度の違いにより、オオカナダモの節間の長さに強い影響が出ることがわかったため、この点も可塑性として教材化ができないか、検討する。③については再度予備実験からやり直す。

Causes of Carryover

今年度は研究が計画通り進まなかったため、年度途中で延長を決めた。そのため、使わなかった研究費をそのまま次年度の消耗品費とすることとした。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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