2021 Fiscal Year Research-status Report
Bidirectional Comparative Study on Cultural Aspects of Mathematics Education between Japan and the U.S.
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20K03247
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| Research Institution | Saitama University |
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Principal Investigator |
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40335881)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷地元 直樹 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00826927)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 授業研究 / 国際授業研究 / 数学教育文化 / 潜在的授業力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日米双方が互いの国からの(外部からの)視点でお互いの授業を見る(授業研究を行う)ことを一つの柱にしている。生憎コロナのため対面での授業研究会などが十分にできず、令和３年度もオンラインによる打ち合わせなどを中心にしながら研究を進めた。そこでの主な成果は以下の通りである。
(1)算数・数学の学習指導の具体的な手立てとして、思考のための表現と伝達のための表現を、それらの機能に合わせて使い分けるべきであること。 言語活動の主要な機能の一つに、「思考を促す」はたらきがある。算数・数学の授業中において、特に学習者が「問題を考えて」いるときに、どれだけ有効に『言語』を使用できているかが、問題解決の進捗に大きく影響する。このような点に鑑み、学習者の数学的活動において「思考のための言語」を有効に機能させながら問題を考えているかということを、それを最終的に答案として作成する（伝達のための表現）として纏めることとの関連で検討を進めた。
(2)算数・数学の学習指導における指導法の改善について。 算数・数学の学習におけるICTの活用について、日本の昭和40年代の算数科の授業記録とそれに対する当時の研究者の見解をもとに、今日の授業改善のための視点を比較検討した。ICTを有効に用いながら個の学びと集団の学びを有機的に結びつけることの重要性や、ICTはあくまでもツールであってゴールではないこと、などが改めて確認された。
(3)複数の教員による同一の授業改善。 同一の内容の授業を複数の教員が異なる立場から実施することで、それらの授業に共通する事柄と異なる事柄を見出すことで、教材や授業の本質を明らかにする授業研究について議論を進めた。特に、本研究におけるキーワードの一つである「潜在的授業力」など、『潜在的に』存在しているであろうと想定できる事柄を見出すために有効な手立てであることが、改めて確認された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナによる渡航規制により、海外での授業研究会を実施することができず、オンラインでの検討会を行うに留まっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、日本とアメリカの学校における算数・数学の授業を、授業研究を通して、日米双方の視点から双方向的に検討を行うものである。コロナ禍により海外からの渡航や海外への渡航が制限されているため、なかなか計画通りに研究が進められずにいるが、インターネットを活用したオンラインでの教材研究や授業研究を多用することで、当初計画していた「国際授業研究」を何らかの形で実施し、日米双方の「よい算数・数学の授業」を比較することを通して，暗黙裡に存在している「よい授業」の要件を一般化できるよう努めたい。
幸い、国内の移動や国内の学校での授業研などは、一昨年度・昨年度と比べれば実現が易くなりつつある。先ずは国内の異なる学校において「授業を比較」することから、改めて日本の算数・数学の授業に暗黙裡に存在する「よい授業の要件」を捉えることができるよう、授業研究会並びにそのための教材研究、そして授業後の検討を精緻に進めていきたい。比較研究のスケールとしては、アメリカの研究者やアメリカの授業を検討の対象とすることに比べると、国内での授業研究の実施だけでは見通すことのできない多くの「潜在的要件」が残されることは十分承知しているが、コロナ禍において実現可能であることを、可能な限り工夫を凝らして進めたい。
一方で、アメリカとの共同研究については、インターネットを介してという制約がつくものの、継続して進めたい。日米それぞれにおける卓越した授業を、日米双方の視点から検証することで、双方向的に「国際授業研究」を進めていくという当初の計画については、インターネットを活用することで実現できるものは積極的に試みる。実際に関係者が一堂に会して行う授業研究と同じだけの成果が得られるとは考えられないが、これからの時代においてネットを活用した授業研究や教師教育を探るための一つの手がかりを見出したい。
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| Causes of Carryover |
コロナのため海外渡航ができず、本研究は当初の計画通りには進んでいない。当科研費の８割を占める旅費の大半を執行できずにいるため、次年度以降の海外での研究会実施に向けて調整していきたい。
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