2020 Fiscal Year Research-status Report
リサーチ・アドミニストレーター配置による研究推進力強化の実効性の検証
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20K03260
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
武藤 彩 東邦大学, 医学部, リサーチアドミニストレーター (00525991)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | URA / 科研費 / 研究支援 / ソフトスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、① URAの科研費研究計画書作成支援により採択実績が上昇しているかの検証、② 大学が効果的なURAの配置・制度を構築しているかどうかの検証、③ URAが実効性を持つために必要なソフトスキルの同定という3項目であり、この目的に沿って、URAや研究者、研究支援部署の事務職員らへのアンケートとインタビューによって検討することが計画されている。 2020年度に実施した研究としては、全国に700余りある大学全てに関してKAKENデータベースを利用することにより採択状況を把握できるかどうかの検討を行った。この作業は膨大であるため、プログラミング言語Pythonを利用したスクリプトを作成し、半自動的に各大学の採択データを取得できることを確認した。この方法により任意の大学の科研費採択状況の年推移データを取得した。採択実績が特に上昇している大学の特定といった、詳細な解析は次年度に行う予定である。他大学の研究支援関連職員に対するアンケート調査を行うための基盤研究として、2020年度は5大学にコンタクトを取り、科研費支援の実情をインタビューした。このインタビューはデータ取得そのものを目的としたものではなく、予備的に行われたものであり、アンケート調査票を作成するための基礎資料としての位置づけである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー先の大学を決める前に、KAKENデータベースのデータの分析を行って、特に顕著な科研費採択実績の変化を示した大学を抽出する必要がある。しかしその作業を行うためには、Pythonによるプログラミングが必要であるが、そのプログラミング技術の習得に予想以上の時間がかかったために、当初の予定よりやや遅れが生じている。また、データ取得を目的としたインタビューおよびアンケート調査を実施するためには、所属機関の倫理委員会の承認を得る必要があるが、現在、倫理委員会へ提出するためのプロトコールを作成している段階であるため、本格的な調査を開始するには至っていないためやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はそもそも「質的研究」でもあるため、主観が入ることは避けられないものであるが、それでも、データの分析結果の再現性を確保するためには、できるだけ主観を交えない客観的な解析方法を選ぶことが望ましいと考えられる。そのための方策としては、プログラミングを駆使して、インタビューの内容を自然言語処理などの手法を取り入れて解析することが望ましいと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナの影響で、学会参加やインタビューなどがオンラインで行われたため、予定していた旅費の使用がほとんど生じなかった。また、データ取得がまだこれからなので、解析に必要なPC等も買い控えたため。
次年度は新型コロナの収束が見込まれることから、他大学へのインタビューの旅費や、学会参加費用、データ解析費用、また論文作成費として使用する予定である。
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