2022 Fiscal Year Research-status Report
リサーチ・アドミニストレーター配置による研究推進力強化の実効性の検証
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20K03260
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
武藤 彩 東邦大学, 医学部, 講師 (00525991)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リサーチ・アドミニストレーター / URA / 研究支援 / 科研費 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、大学教員においては、教育,研究,大学運営などの負担が増大しているため、大学による研究支援活動の重要性が高まっている。このような背景から,専門的な研究支援職であるリサーチ・アドミニストレーター(Universityresearchadministrator;URA)が平成23年より国立の研究大学を中心に国主導で順次導入され,現在では私立大学を含む多くの大学へと広がってきた.しかしながら,研究支援体制の強化が実際に研究力強化につながっているかを検証した報告は少ない.研究力を測る指標としては論文数が最も直接的であるが,研究支援の効果が現れるまでには時間がかかる.それに対して,外部研究費の獲得は申請書の質によるところが大きいため支援効果が比較的現れやすい.特に,文部科学省科学研究費補助金事業(科研費)の若手研究者を対象とする研究種目は,論文業績の差がまだ少ないので,支援で申請書の質が上がれば採択の可能性が高まる).そこで,若手研究者向けの研究種目の採択件数を指標として研究支援効果を検証した.研究分野や大学・学部の規模による差異を少なくするため,分析対象を私立大学医学部に絞り,過去20年余のこれら若手研究者向け研究種目を分析した.大学の科研費の採択実績に変化が生じたのであれば,必ずその裏にはその変化をもたらした介入(施策の実施)が存在すると予想される.そこで,各大学の若手研究者向け科研費研究種目採択件数が増加に転ずる年度を採択件数データから同定し,その変化開始付近の年度に実施された施策を大学の事業報告等に基づいて調べた.その結果,該当する時期には研究支援組織の強化及び具体的な新規施策の実施が認められ,変化と介入との間の関連性が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画ではアンケート調査とインタビューを併用する予定であるが、すでに他の機関による網羅的な研究支援体制に関する実態調査がなされていることから、それらの資料の分析を優先して行っているため、当初計画の実施に後れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
KAKENデータベースからダウンロード可能な採択状況データを網羅的に解析する一方で、公開されている大学・研究機関網羅的な研究支援体制に関する実態調査結果との照合を行いながら、分析を進める。
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Causes of Carryover |
研究計画実施の遅延により研究期間を延長したため、次年度使用額が生じた。国内外の学会発表、論文投稿・掲載費用のほか、実験・測定装置の購入および分析ツールの購入費用などに充てる予定である。
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Research Products
(1 results)