2020 Fiscal Year Research-status Report

Factor Analysis about Bolivian Industry-Academia Collaboration Barriers. -From the Perspective of Awareness, Institutionalization and Socialization-

Research Project

Project/Area Number	20K03262
Research Institution	Oita Prefectual College of Arts and Culture
Principal Investigator	綾部誠大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 准教授 (70552313)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords	産学連携障壁 / 意識化 / 制度化 / 社会化 / 技術協力
Outline of Annual Research Achievements	申請者はこれまで、南米のボリビア多民族国ならびに日本の高等教育機関において四半世紀にわたって資源開発に関連する高度人材の育成に携わってきた。しかし教育・訓練を通じて大学関係者や留学生らに移転された技術・知識などが、ボリビアの企業や公社には伝搬されず、大学内に滞留する状態が継続している。そこで本研究ではボリビアにおける産学連携の在り方に着目し、移転された技術等が企業や公的機関に伝搬しない原因を明らかにすることにした。今年度は新型コロナウイルスの影響もあり、現地調査ができない状況にあったが、遠隔システムを用いて共同研究を進めた。予定していた第１段階の意識化に関して、同国のモデル校と称されるサンアンドレス大学（UMSA）の工学部と産業技術学部に勤務する教職員を対象にしてアンケート調査を実施した。調査では教職員を対象にして、産学連携に対する印象、大学内における産学連携活動に対する人事評価、産学連携活動に対する大学の評価比率、共同研究に対する大学の評価、産学連携に携わる意欲、大学が設定している産学連携に関するミッション定義の認識、産学連携を推進するにあたっての機材・施設利用、産学連携を推進するにあたっての課題と障害、産業界と大学が関係性を強化するために必要とされること、産学連携を推進するにあたってのインセンティブ等についてを調査した。現在はこれらの調査結果について、分析を進めている段階にある。またボリビアにおける産学連携の取り組み事例として、農業経営方法の改善、ボリビアの産業組織における従業員の社会貢献意識、ボリビアの天然資源の輸出に関する経済分析と経営戦略、トヨタ生産システムのボリビアにおける普及などを取りまとめ、ボリビア国内において2020年10月に書籍を出版した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 新型コロナウイルスの影響もあったことから、当初は計画どおりに研究が進まなかったものの、オンラインシステム（Zoom）を活用することでサンアンドレス大学の教員・研究員と連携がとりやすくなり、研究のスピードが回復した。予定されていた調査も実施し、現在はデータ分析・解析をしている段階にある。またボリビアにおける産学連携の取り組み事例をまとめた、Dr. Makoto Ayabe, M.Sc. Luis Pocorey,『INVESTIGACIONES SOBRE EL DESARROLLO DEL ALTIPLANO “INTERCAMBIO CULTURAL Y TECNOLOGIA ENTRE BOLIVIA Y JAPON』WALKING GRAF.SRL,ISBN:978-9917-0-0513-1,を2020年10月に南米で出版することができた。
Strategy for Future Research Activity	2021年度は現在、進めている大学の教職員を対象としたアンケート調査を分析して論文としてまとめるとともに、産業界（商工会議所所属企業で本研究の対象）の経営者に対して、大学との連携についてアンケート表を用いて意識調査を実施する予定である。また第２段階である制度化についても着手し、大学（含む学部付属研究所）の理念と方針、人事評価、給与体系、雇用制度、報奨制度、情報公開、インセンティブなどについて大学の学則や規程などから分析を進め、産業界との連携が進まない課題を明らかにしていく。産業界側については、大学との連携を支援する推進制度、税制制度、共同研究、特許制度について調査を実施し、産学連携が起きづらい原因を突き止める。これらの結果をそれぞれ論文としてまとめて、書籍として出版をする準備を進める。
Causes of Carryover	今年度は新型コロナウイルスの影響により、ボリビアにおける現地調査ができなかった。そのため旅費を主として予算を次年度に持ち越すこととした。次年度以降は、新型コロナウイルスの状況にもよるが、予定していた現地での調査回数を増やし、滞在期間を延ばすなどして、計画していた予算を執行する予定である。また国際感染症のなかでも調査・研究を安定的かつスムーズに行うため、遠隔システムを増強する予定である。