2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of fully autonomous robot system for demonstration and continuous creativity education
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20K03263
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
杉浦 藤虎 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (70206407)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボカップ / 自律移動 / ロボット / 創造性教育 / 出張授業 / 高等専門学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19の影響によって世界的な半導体不足が生じ,現在に至るまで新規のロボット製作に支障が出ている状況ではあるが,AIやロボットの開発および研究は精力的・継続的に行ってきた。一方,2020年度に引き続き,2021年度も大勢の人が集まる対面形式でのロボット実演活動は困難であり,小学校への出張授業を一度行ったのみであった。 2021年度の成果の一例として,オンラインで行われたRoboCup2021世界大会サッカー小型ロボットリーグに出場して16チーム中5位(日本チーム最高位),対面で実施されたRoboCup Asia Pacific 2021 Aichi大会同リーグに出場して3位入賞,同大会での優秀な成果を発揮したチームに与えられるロボット学会賞の受賞などが挙げられる。これらの成績や成果は,学生とともに議論し,継続的な実験,改良を繰り返すことによって醸成された創造性育成効果が発揮された結果と言える。 2020年度に設計したロボットの回路基板は机上での正常動作を確認できたため,2021年度,ロボットに搭載し,その動作を通して十分に制御できることを示した。その上で,予期せぬ状況や劣悪な状況が想定される実際の試合に投入し,その性能を評価した。その結果,観客の使用するスマホなどのWifi機器の電波が飛び交う中,ロボットとAIサーバ間の双方向通信が実現できていること,IMU(慣性計測装置)のデータをフィードバックすることで従来と比べ,格段に滑らかな直線移動ができること,Vision-Blackout(フィールド上空カメラによる位置情報や通信の遮断)が生じた際,ロボット上に搭載したローカルカメラによってロボットが自ら位置を把握し,AIと連携した動作が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来,ロボカップサッカー小型リーグではフィールド上空に設置されたカメラからの位置情報を基に,サーバPC経由の無線指令でロボットを制御させているが,競技会場での電波混信やVision-Blackoutのトラブルが発生すると,ロボットの暴走や動作停止が発生していた。この問題に対処するため,2020年度に,制御しやすい回路構成を特長とした,高速な双方向通信が可能で,Vision-Blackoutに対応可能な新規回路基板の設計・開発に着手した。2021年度に,新基板を搭載したロボットの性能を実際の競技を通して評価し,十分な特性を示すことを確認した。メインプロセッサには小型PC並の性能を有す,Jetson Nanoを採用し,ロボットにカメラを搭載できるなど拡張性の高い機能を持たせた。ただし,コロナ禍での世界的な半導体部品の不足から,現在まで競技に必要な基板枚数は揃っていない。 一方,出張授業は2020,21年度と実施できていないものの,実演システムはほぼできている。協調ダンスパフォーマンスもレパートリーを増やす対応を予定しており,出張授業が再開できる時期が来たら,さまざまなイベントでそのパフォーマンスを披露する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後(2022年度)は2021年度中に揃う予定であった新型回路基板を,ロボットの台数分作製することを最優先する(半導体部品の確保あるいは代替部品の検討に力を注ぐ)。そして,ボールがレフェリーやロボットの影に入ったり,電波障害によってAIサーバからの指令をロボットが受信できない,Vision-Blackoutの問題を,ロボット本体に搭載したローカルカメラとAIサーバとの連携によって解決することを試みる。具体的には,Raspberry Piカメラモジュールを,ロボット前方に設置した上で,カメラ画像を読み込み,フィルタ処理後にボールのサイズと重心位置を求め,ボールとの相対距離を算出し,距離に応じた値をFPGAに送ることでローカルカメラのみでロボットを動作できるか実験を行った。予備実験として,フィールド上にロボットを配置し,オレンジ色ボールをロボット前方に転がし,ローカルカメラのみによる追従性能を検証した。その結果,ボールの位置座標を正しく認識し,ボールがロボットの正面に来るようロボットが自律移動し,捕球できることを確認した。 また,ロボットはAIからの指示がある場合はその情報に従って行動し,AIからの指示がない場合はローカルカメラのみの情報で単独で行動できることも示した。このローカルカメラシステムによるロボットの自律動作は,他の世界大会参加チームも十分に取り組んでおらず,独創的な提案と言える。今後は本システムの有効性を確認し,精度と動作速度の向上を目指す。 さらに,出張授業においてもロボット搭載カメラのみで動作が可能な,自律実演ロボットシステムの構築に向けて研究開発を継続する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で世界的な半導体部品の不足状況が続いており,ロボットの作製に必要な部品が入手できなかった。次年度は代替部品の検討も含め,ロボット作製・開発に必要な電子部品等の購入に充てる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] KIKS Extended Team Description for RoboCup 20222022
Author(s)
Ryoma Mitsuoka, Yusei Naito, Yasutaka Tsuruta, Daichi Miyajima, Kosei Naito, Hironobu Suzuki, Ryuto Tanaka, Hayato Mitsuda, Yota Dori, Toko Sugiura
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Journal Title
https://ssl.robocup.org/wp-content/uploads/2022/02/2022_ETDP_KIKS.pdf
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
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