2020 Fiscal Year Research-status Report
SDGsを見据えた理工系学生のための技術者倫理教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20K03287
|
Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
中島 美智子 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20390487)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 充志 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (00311069)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 技術者倫理 / SDGs / 環境文学 / エコクリティシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
技術者倫理教育は、多くの高等専門学校で授業の一つとして実施している。歴史的に重要な事例や企業における技術者の経験を教授することで、学生の倫理感を育成している。しかしながら、技術者倫理教育においては、テキストを用いた受動的な講義となる場合が多い。高等専門学校の特長は、実践的な実験や演習が多数配置され、学生は体験学習により知識を効果的に身に付けることが可能となる。2015年9月、国連で開かれたサミットの中で世界のリーダー達によって、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、国際社会共通となる17の目標が掲げられ、SDGsと呼ばれることとなった。その目標の一つに「みんなにクリーンなエネルギー」がある。2020年度は、米子高専と松江高専合同の「エネルギーワークショップ」を行った。具体的には、事前学習として情報資料集やビデオによる個人学習及びアンケート、ワークショップとして事前学習の振り返りの講義、4回のグループ討議と2回のエネルギーシュミレーション及び情報共有のための最終プレゼンテーションで構成した。また、本校学生が近隣の弓ヶ浜の松林の環境保護活動に参加した。弓ヶ浜の松林は、国道431号沿線にあり飛砂防備等の生活環境を保全する重要な松林である上、「日本の白砂青松100選」に選定されるなど、鳥取県西部地区の重要な観光資源としても大切にされている。しかし、2010年末から2011年始めの豪雪により大きな損傷を受けたことから、地域住民が中心となり松林の植林・保育等の管理を継続的に実施するための林内の雑草刈りや清掃活動および植樹等のボランティア活動を行っている。事前学習としてノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ氏の植林活動の歴史等の環境文学を熟読し、環境問題への意識を高めることで植林や環境保全の重要性について考えさせ、環境マインドをより高められる好機とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全世界的に拡がったコロナウィルスの感染防止対策などのため、とりわけ夏休みに予定していた国外調査研究のための出張と学会発表と資料収集のための国内出張などがすべてできなくなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度に遂行できなかったアメリカの環境教育先進校の視察・情報収集、国内での学会発表と資料収集を行う。また、地元の原子力発電所視察、OBとの意見交換会および地域住民との交流や情報収集、ならびに地元の環境保護活動への参加、といった各種フィールドワークを実施する。
|
Causes of Carryover |
全世界的に拡がったコロナウィルスの影響で、予定していた国外調査研究のための出張と学会発表と資料収集のための国内出張などがすべてできなくなったため、次年度使用額が生じた。これらの出張は2021年度に行う予定である。
|