2021 Fiscal Year Research-status Report
SDGsを見据えた理工系学生のための技術者倫理教育プログラムの開発
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20K03287
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
中島 美智子 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20390487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 充志 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (00311069)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 技術者倫理 / SDGs / 環境文学 / エコクリティシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、理工系学生の「技術者倫理」教育に必要な視座(知識)と感性(興味・関心)を環境文学の側面から醸成すると共に、テキスト中心の閉鎖的土壌を脱却し、その視座と感性にActive Learningとしての実体験(原子力発電所視察や環境保護活動等のフィールドワーク)を重ねることで、環境意識や倫理観を高める環境教育プログラム・教材の開発を目的としている。 本年度は、前年度に続き、米子高専と松江高専との合同で「エネルギーワークショップ」を実施した。具体的な内容は、情報資料集やビデオによる学生の個人学習を事前講習として実施し、その後アンケート、ワークショップに関する事前講習の振り返り講義、さらに4回のグループ討議と2回のエネルギーシュミレーションを経て情報共有のための最終プレゼンテーションなどで構成した。また、本校の学生たちと島根原子力発電所視察を行うことで、原子力発電所を身近に感じてもらうとともに、現場での安全対策、耐震補強、放射線遮蔽などについての知識を深めた。さらには、本校OBと発電所の安全対策に関する意見交換会や公民館における地域住民との交流を推進することができた。本来であれば、出雲科学館での環境教育ポスター発表をする予定であったが、コロナウィルス感染拡大防止のために大会が中止となり、研究発表の機会が得られなくなった。 講義では『森の生活』『沈黙の春』『コルテスの海航海日誌』といった環境文学の視座から背後にある物理・科学的要因や社会思想・倫理観等すべてのものを捉え直し、環境文学が主題とする本来的な自然環境と人間との関わり方、またそれを基盤とする持続可能な社会構築への様々な課題を学生と共に考察した。併行して、これまでに行っている講義「環境文学の世界へのいざない」に関する論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に実施予定であった海外調査、および東京でのエネルギー講演会の打ち合わせは、コロナウィルス感染拡大防止による政府からの国内外への出張自粛要請のため、止むを得ず実施できなかった。また、関連学会等の開催も一部中止となった。上記感染状況が許せば、2022年度以降に実施する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス感染状況を勘案しつつ、2021年度に遂行できなかった海外の環境教育先進校の視察・情報収集、および国内での学会発表と講演会実施に向けた準備や資料収集を引き続き行う。また、地元のエネルギー発電所視察、OBとの意見交換会および地域住民との交流や情報収集、ならびに地元の環境保護活動への参加、といった各種フィールドワークを継続して実施する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの感染防止対策などのため、とりわけ夏休みに予定していた国外調査研究のための出張と学会発表と資料収集のための国内出張などがすべてできなくなったため。
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