2022 Fiscal Year Research-status Report
起きにくいことの価値は高いか:確率と効用の相関に対する心理学的検討
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20K03300
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
中村 國則 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40572889)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 確率 / 効用 / 言語確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの研究成果に基づき、言語確率表現という新たな側面に注目した研究に着手した。我々が日常生活の中で不確実情報をやり取りするとき,50%”という数値的な確率のみならず、“確実である”“不可能である”といった言語表現を用いることがしばしばある.このような言語表現によってあらわされる不確実性情報は数値的な確率と異なった性質を有することはこれまで様々な研究によって指摘されてきた.ここで本年は,このような言語確率においても価値と確率の間に相関がみられるかを複数の実験的研究に基づいて検討した.その結果、言語確率表現についても価値と確率の負の相関が確認され,加えて言語確率の持つ方向性という性質も,結果が示す価値の大きさに影響することが明らかになった.また,言語確率の方向性を操作するうえで,”~でない””不~”といった否定表現の影響も同時に検討し,言語確率が示す確率や価値に対してこれらのような否定表現が系統的に影響し,その影響の仕方がこれまで示されてきた確率と価値の相関に一致するような毛校であることが明らかになった.これら一連の研究成果はNakamura (2023 in Cognitive Science Socety)で発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
確率と結果の相関に関するデータが蓄積し,加えて言語確率という新たな側面に関する研究にも着手し,着実な成果を上げていると評価できるであろう.また,昨年度から内外の学会が対面開催されるようになったため,研究成果の発表・公表もここ3年よりもスムーズに行えるようになり,成果のアピール面も順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は言語確率表現における価値と確率の相関という新たな側面の検討を深めると同時に,これまで得られた様々な研究成果の論文化が課題となるであろう.ただしその一端をすでに国際会議論文として公表し始めており(Nakamura, 2023),順調に進んでいくものと考えられる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行状況が継続し,内外,特に国際学会での発表数を消化することができなかったことが主な理由である.2023年度以降は新型コロナウィルスの流行が一応節目を迎え,国際学会への積極的な参加が可能になったことにより,国際学会で研究成果を精力的に発表する予定である.
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Research Products
(4 results)