2023 Fiscal Year Research-status Report
起きにくいことの価値は高いか:確率と効用の相関に対する心理学的検討
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20K03300
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
中村 國則 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40572889)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 確率 / 効用 / 負の相関 / 言語確率 |
Outline of Annual Research Achievements |
23年度は主としてこれまでの研究成果の公刊化と言語確率表現における確率と結果の負の相関について検討を進めた.まずこれまで検討を進めてきた賭けの状況を用いた確率と結果の負の相関を,利得状況と損失状況の双方で検討した研究成果を国際誌に投稿し,採択された(Nakamura, 024, in Journal of Cognitive Psychology).また,実験参加者に対して提示する確率情報を,数値的なもの("~%")だけでなく、言語的なもの("見込みがある"”不可能”)も用いて確率と効用の負の相関を検討した.その結果,言語的な確率表現についても数値的なものと同様の結果と確率の負の相関が確認され,かつ言語確率の有する方向性といった性質も効用の評価に影響を与えていることが明らかになった.これらの成果は内外の学会で発表し,様々な研究者からの反応を得た(中村, 2023, 認知科学会,心理学会; Nakamura, 2023 in CogSci2023).加えて言語確率表現の問題については,表現が与える情報量との関係の問題についても検討を着手している(中村,2024,認知科学会,日本心理学会にて発表予定).今後はこれらの成果をさらに精緻に検討すると同時に,公刊化に向けた作業を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の公表、および新たな問題の検討の2点で,おおむね順調に進展していると評価できる.まず今年度はこれまでの成果を国際誌に掲載することに成功した(Nakamura, 2024 in Journal of Cognitive PSychology).また,言語確率における確率と効用の負の相関という新たな側面の検討にも着手し(中村, 2024, 認知科学会,心理学会; Nakamura, 2024 in CogSci2024),当初の検討予定にあった研究課題におおむね着手することができ,かつ学会発表の形で研究成果としても公表することができている.最終年度となる本年度に向けて,順調な進展であると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる24年度は,言語確率表現の持つ情報量と確率と結果の負の相関との関連,これまでの研究成果の着実な論文化とともに,総合的な結論のとりまとめに取り掛かりたい.特に23年度の研究成果の中では,言語確率の方向性という性質が推定される結果の大きさにも影響するという知見を得たが(中村, 2024, 認知科学会,心理学会; Nakamura, 2024 in CogSci2024),この知見の再現性,および判断者が心内で構成していると考えられる確率モデルの探索といった問題にも焦点を当ててみたい.
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Causes of Carryover |
22年度までのコロナ渦により抑えられていた物品費・国際会議出席等の支出が残ってしまっていたのが大きな原因である.24年度は積極的にデータ収集・研究成果の公表に勤め,消化していきたい.
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