2023 Fiscal Year Research-status Report
Social psychological study of third party's effects on intergroup relation
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20K03315
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
熊谷 智博 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (20400202)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 集団間関係 / 代理法服 / 紛争解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、集団間関係、特に集団間紛争とそれに対する和解的態度について、第三者集団との関係性が与える影響を実証的に検討することであった。2023年度は前年度までの研究結果を踏まえた上で、新たに機械学習による紛争発生要因の検討を行った。具体的にはUpsula大学のViolence and early-warning systemの研究を参考に、UCDP/PRIOの国家間紛争データベースとWorld value surveyのデータセットを結合し、心理データを用いた紛争発生要因の検証及び発生予測に関する研究可能性を検証した。また国連の人間開発指数、民主主義指標(V-dem)といったデータセットも合わせて活用し、機械学習を応用しての紛争予測を行った。利用可能な変数が膨大であったため、データの前処理作業、および機械学習に関する知識とスキルの習得に時間と人手を要したが、一通りの分析までは実現できた。今後は引き続き学習モデルのチューニングを進めることでモデルの精度を上げ、変数の絞り込みを行い、それを元に理論モデルの構築を進める予定である。また以前より研究を進めていた集団間和解に関する国際比較研究の結果が論文化され、Peace and conflict: Journal of Peace Psychologyにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本国内での質問紙を使った調査、および簡単な実験は実施できたが、海外での質問紙調査に関しては準備の時間が不足し、当該年度において実施できなかった。ただし、必要な項目や要因についてはすでに検討済みであるので、協力先の状況が整い次第、実施することで、当初の目的は達成できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までで基礎的知見の蓄積はできているので、今後は国際比較のための質問紙調査を実施しつつ、実験室実験を実施する予定である。また前年度に新たに加えた機械学習を用いた紛争要因の検討についても、作業を進めることで新たな側面からの知見が得られるよう、研究を進める。
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Causes of Carryover |
前年度までのコロナ禍による海外での調査の予定が遅れた影響で、当該年度での調査も実施できず、その分の支出が生じなかった。その代わり、オープンデータを用いた機械学習による理論の検討作業を行ったが、主に作業補助の謝金としての支出にとどまり、当初予定したほどの予算を必要としなかった。支出できなかった分は次年度での調査回数と学会発表回数を増やすことで当初予定通りの成果を得るのに必要であると考える。
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