2022 Fiscal Year Research-status Report
The influence of childhood socioeconomic status and current economic condition on reproductive strategies: A life history perspective.
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20K03316
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
樋口 収 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (50625879)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 晩婚化 / 生活史戦略 / 経済状況 / 幼少期の社会経済的地位 |
Outline of Annual Research Achievements |
Web調査会社に依頼し,Tan et al. (2022) の概念的追試をおこなった。 まず,先行研究が大学生を対象とした実験をおこなっていることから,一都三県に住む大学生を対象にWeb実験を実施した。なお,一都三県に限定したのは,居住する地域の人口密度の影響をできるかぎり統制するためである。その結果,経済状況の主効果のみが有意で,経済状況が悪化していると知覚した時の方がそうではない時よりも,結婚を希望する時期や初子を希望する時期が遅くなっていた。しかし,予測した経済状況×幼少期の社会経済的地位の交互作用効果はみられず,仮説は支持されなかった。 次に,経済状況の操作を変更,対象も20-25歳に拡大し,さらに交際相手がいるかどうかを尋ねる形で再度同様の実験をおこなった。その結果,まず交際状況の主効果がみられ,交際相手がいる方が結婚を希望する時期や初子を希望する時期が早くなっていた。また交際状況×条件の交互作用効果が有意で,交際相手がいない場合のみ条件の主効果がみられ,経済状況が悪化していると知覚した時の方がそうではない時よりも,結婚を希望する時期や初子を希望する時期が遅くなっていた。これは,交際相手がいる場合には結婚に向けて様々な要因を考慮しやすく,生活史理論で想定される以外の要因が結婚を希望する時期に影響を及ぼすためだと考えられる。なお,この研究においても予測した経済状況×幼少期の社会経済的地位の交互作用効果はみられず,仮説は支持されなかった。 実験の結果,Tan et a. (2022) の研究結果は再現されなかった。とくに幼少期の社会経済的地位の影響は何の実験においてもみられなかった。この点については,幼少期の社会経済的地位の測定を変更する,統制変数を増やすなどして,再検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前提とする研究が再現できないこと,新型コロナの感染拡大により想定していた実験室での統制された実験ができなかったこと,身内の不幸等の理由で,当初の予定どおりに進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず幼少期の社会経済的地位の指標を見直し,統制変数を検討した上で,再度先行研究の実験の再現性について検討する。また環境が整えば,実験室での統制された実験を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大等の理由で,想定していた実験室実験ができなかったこと等による
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