2023 Fiscal Year Research-status Report
The influence of childhood socioeconomic status and current economic condition on reproductive strategies: A life history perspective.
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20K03316
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
樋口 収 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (50625879)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活史理論 / 経済状況 / 幼少期の社会経済的地位 / 調整変数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新井田・樋口(2023)において,先行研究としたTan et al.(2023)の研究知見が再現されなかったため,再検討することとした。具体的にはTan et al.(2023)の調整要因を検討することとし,(1)新井田・樋口(2023)で実施したweb調査では,回答者が人口密度が高い地域のものが多くなる傾向があったため,人口密度が低い地域でも実施することとし,(2)また回答者の最終学歴によって結婚を希望する時期が異なることが予測されるため最終学歴を尋ね,加えて交際相手の有無も尋ねることとした。そして,1つめの実験として人口密度の効果を検討したところ,人口密度によって初子を希望する時期時期が異なり,人口密度が低い地域の方が早く初子を希望していた。しかし,予測した経済状況×幼少期の社会経済的地位の効果はみられなかった。次に,交際相手がいる相手において,最終学歴による違いを検討したところ,最終学歴の効果はみられず,また予測した経済状況×幼少期の社会経済的地位の交互作用効果もみられなかった(経済状況の主効果のみ,みられた)。この結果は,Tan et al.(2023)の結果が人口密度や最終学歴によって調整されるわけではないことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の基礎となっている先行研究が再現されていないこと,心理学の研究法は大きく転換し,その研究法について新たに学ぶ必要があり,そこに時間がとられていることが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
より統制された研究を実施することで,先行研究を再現するを目指すことが第一である。もし再現されない場合には,生活史理論で議論されている(類似した)別の概念からアプローチする予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遂行が遅れており,延長申請をしているため。
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