2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of expressing anger on the longevity of relationships
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20K03320
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
上原 俊介 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (00712283)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 怒り / 人間関係 / 親密さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、怒りの感情表出が人間関係の維持と深化において重要なはたらきをもつと仮定して、怒りの関係促進効果を生理指標を利用して実験的に検証することにある。今年度では、前年度において実験対象とした異性の恋人関係ペアを同性の友人関係ペアに変更し、双方が怒りを表出しやすい葛藤場面を人工的に構成した後で、怒り表出後の血圧反応を測定するという実験を実施予定であった。具体的には、お互いが不満に感じている問題について8分間の協議を行わせ、その様子をビデオ録画する。次に、その録画映像を2分おきに提示して、協議中における自分の怒り表出と相手の怒り表出のレベルをそれぞれについて何度か評価を行わせる。その後、双方の血圧を2回測定し、相手に感じる好意や親しみなどを自己報告させて関係促進の指標を得るというパラダイムである。このパラダイムを利用することにより、一方の怒り表出が他方の血圧反応に影響するというダイナミックな過程を分析することが可能になることが期待されている。しかしながら、コロナ禍における繰り返される感染爆発の影響により、実験対象となる予定だった大学生をリクルートすることができず、今年度は実験そのものが頓挫する状態となった。このため、今年度は怒り表出と関係促進効果の関連性を扱った文献のレビューに切り替えて、本研究で仮定している怒りの関係促進モデルを精緻化することに努めた。この作業は最終年度に作成予定の報告書において重要な役目を果たすことが期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
度重なる感染爆発により、今年度はこの研究の主である実験室実験を行うことができなかった。これは当初想定していなかった事態である。ただし、実験が行われなかったことと引き換えに、前年度に実施した実験データをより仔細に分析することができ、予想外の知見を得ることにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、今年度実施できなかった同性の友人関係ペアを対象とした実験を実現させる予定である。その準備として、感染対策を十分に検討し、所属機関から実験実施の承諾を得ることに努める。そして、一連の研究を通して得られたデータの分析を進め、国際雑誌への投稿準備をする予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により学会参加が困難となり、旅費などにかかる経費が不要となったため、年度内完了が難しい状態となった。ただ、次年度からは学会も対面開催が予定されているため、請求した助成額が不可欠になると思われる。
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Research Products
(1 results)