2020 Fiscal Year Research-status Report
The impact of community on couple relationships: An international comparative study
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20K03325
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
浅井 継悟 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40776655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平泉 拓 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (00760828)
兪 キョン蘭 作新学院大学, 人間文化学部, 准教授 (00802133)
若島 孔文 東北大学, 教育学研究科, 教授 (60350352)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カップル / 夫婦 / 家族 / コミュニティ / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,DVや児童虐待への早期予防を見据え,コミュニティ(地域社会)が夫婦・カップルに与える影響について明らかにすることを目的とする。そのために,本研究では,コミュニティがカップル関係に与える影響の促進要因と阻害要因に着目し,日本とアメリカという異なる文化背景を持つカップルに対して調査を行い,促進要因と阻害要因の中でも,普遍的な要素と文化による影響を受ける要素を明らかにする。個人レベル,カップルレベル,コミュニティレベルという階層構造をもつデータを取得することにより,包括的な検討が可能となり,カップルへの効果的な支援につながる基礎的知見を明らかにすることができる。 今年度は,当初予定していた通り,海外で作成された地域社会とのつながりを測定する心理尺度を翻訳した。この尺度は,本研究だけでなく,他のコミュニティに関連する研究でも広く使用できることが見込まれるものである。今後は,翻訳した心理尺度の信頼性と妥当性について検証し,その結果についても公表することで,他の研究でも積極的に活用できるようにする。 加えて,社会情勢を鑑みると,新型コロナウイルスの感染拡大の影響を無視することができない。そこで,当初計画になかった新型コロナウイルスへの感染不安という要因を加え,日本における夫婦・カップルの500組のペアデータを収集した。本研究は国際比較研究であるため,得られたデータについては,今後取得予定のアメリカのデータと合わせて解析を行っていく予定である。これらのことを通してコミュニティからのカップルへの効果的な支援につながる基礎的知見につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画を立案した段階(2019年10月)では,新型コロナウイルスの影響を予期することができなかったため,当初の研究計画では平時におけるコミュニティ(地域社会),夫婦・カップルの関係についての測定を想定していた。しかし、現状では新型コロナウイルスの影響を無視することができず,新型コロナウイルスによる影響も加味した上で調査を行うことが妥当であると判断した。そのため,影響を測定する項目を新たに作成する時間が必要となった。また、国内についての調査は年度内に実施することができたが,新型コロナウイルスの影響により,アメリカで実施予定の調査に関連する準備に制約がかかっている。これらの影響により,予定よりもやや遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者との連携を密にし,アメリカ側の調査を実施できるように進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により,開催が予定されていた学会が延期・中止になったことや,データ収集の方法についても変更が生じ,購入を予定していた物品費・人件費に変更が生じたため,次年度使用額が生じた。学会によっては,今年度(2021年度)対面での実施が計画されているものもあり,その旅費分として使用する予定である。
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