2020 Fiscal Year Research-status Report
大学教員のジョブ・クラフティングに関するポジティブ心理学的研究
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20K03333
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浦田 悠 大阪大学, 全学教育推進機構, 特任講師(常勤) (90553834)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 仕事の意味 / 人生の意味 / ジョブ・クラフティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学教員における仕事の意味、人生の意味のとらえ方を量的研究、質的研究を通して明らかにし、ジョブ・クラフティングを支援するプログラムを開発することを目的とする。 本年度は、仕事の意味やジョブ・クラフティングの理論的視座を固めるための文献研究と量的研究を進めた。まず、仕事の意味についての心理学的研究のレビューを行った。仕事の意味(meaningful work、meaning at/in/of work、work meaning)については、近年研究が増加しており、統合を目指す理論モデルもいくつか提示されている。それらの先行知見をレビューし、先行研究における現状と課題を考察した。 次に、従来の理論モデルを検証するための量的研究を行った。分析では、仕事の意味やジョブ・クラフティングについての理論モデルを検証した。結果、個人・ジョブ・社会・組織の4レベルの要因と関連について、モデルに沿った仮説が概ね支持され、仕事の意味を多次元的に捉える枠組みの妥当性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたレビューと課題の整理については予定通り進めたが、調査については、COVID-19の感染拡大により、仕事に関するデータが想定外の影響を受けることも予想されたため、インターネット調査を実施する代わりに、2019年度にリクルートワークス研究所で実施された社会人対象の大規模調査データを利用して分析を行った。これは大学教員が対象のデータではないものの、当初予定していた調査内容を概ね含んだ大規模なデータであり、従来の理論モデルの枠組みの検証も新たに可能となったため、全体としてはおおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に検討した仕事の意味についての先行知見の課題、および理論モデル検証を踏まえ、大学教員を含む対象者に、仕事の意味、人生の意味に関するin-depthインタビュー、および人生観を図示する方法論(MMM; Urata, 2018)を実施し、内容分析を行う。インタビューでは、今年度得られた個人・ジョブ・社会・組織のレベルについても調査を実施・分析し、FDプログラムの開発準備を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により、参加予定であった全ての学会が開催中止、もしくは対面での実施を中止したため、旅費、および、国際会議参加費が発生しなかった。また、インターネット調査も実施せず、既存のデータを用いたため、経費が発生しなかった。翌年度分として請求した分を含む助成金の使用について、対面での学会が再開された場合には旅費として利用するが、情勢によっては、追加の文献やインターネット調査費としての利用を検討する。
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Research Products
(8 results)