2021 Fiscal Year Research-status Report
いじめ被害児童生徒の援助要請に焦点を当てた教師用「いじめ研修プログラム」の開発
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20K03334
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
水野 治久 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (80282937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 智 立正大学, 心理学部, 教授 (20513170)
本田 真大 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40579140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | いじめ被害感 / 援助要請 / 教師への援助要請 / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,児童生徒を対象とした「いじめ通報相談システム」の開発の運用及び,児童生徒の援助要請のパターンを探索することを目的に介入実践が企画され,実施された。株式会社ストップイットジャパン及びA市教育委員会,A市立X小学校,Y小学校と協働し,2021年11月~2月末まで児童5年生・6年生483名を対象に介入実践を行った。まず介入の開始にあたり,11月11日(木)に,児童は援助要請に関する質問紙に回答した。具体的には,永井・新井(2007)の相談行動の利益とコスト尺度の利益の項目,藤原ら(2016)の児童用援助要請行動尺度である。加えて児童の学級適応,いじめ被害感を測定するために図書文化社の「Hyper-QU よりよい学校づくりと友達づくりのためのアンケート(以下,Hyper-QU)」を実施した。次に,児童は11月11日から2月25日まで登校したら必ず自身の端末で健康観察アプリ「シャボテン」に回答した。シャボテンでは,「いまのからだのぐあい」,「いまのきぶん」を回答する。そして次の頁で,児童が教員への相談が必要だと認識したら,相談ボタンを押す。相談ボタンを押す際,児童は相談先を「担任の先生」,「保健室の先生」から選択できる。また,児童は悩みのボタンのみを押すことも可能である。児童が「相談ボタン」を押した場合は,教員に通知がいく。教員は,他の児童に知られないように,当該児童を援助する。シャボテンの記載は,2月25日(金)まで行った。児童は,2月25日にシャボテンへの満足度や援助要請の有無についての質問に回答した。その後,2月28日(月)に,2回目のHyper-QUに回答した。現在,調査データは集計中であるが,247名中17名が期間中にシャボテンに援助要請をしたと回答している。研究の実施は研究代表者の水野が担当した。また質問紙調査の設計は分担者の永井・本田が担当した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入実践を行ったが現在データ分析の途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
データを詳細に分析し,引き続きA市教育委員会と連携し,調査結果を踏まえた研修プログラムの開発につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
初年度にコロナウイルス感染症の学校休業があり,研究が遅延しているため。
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