2022 Fiscal Year Research-status Report
The working-share system in EY facilities ; The effects for self-efficacy and continued to work.
Project/Area Number |
20K03346
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
山本 睦 (夏堀睦) 常葉大学, 保育学部, 教授 (60434536)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 保育者効力感 / 分業システム / イギリスEY施設 / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,6月と10月にそれぞれ10日間,11日間の日程で英国調査を実施した。6月の調査では,まだCovid-19の影響から園の訪問がキャンセルされる状況もあったが,4施設に訪問10名の保育者にインタビュー調査を実施した。またコーディネータが所属するPlymouth Marjon UniversityのTeacher Education Partnership専攻の学部長,教授と面談し,調査の連携について承諾,及び確認を受けた。10月の調査では,7施設に訪問16名の保育者にインタビュー調査ができ,またPlymouth Marjon Universityに在学中の3名の保育職経験者にもインタビュー調査を実施した。2023年度以降は国内調査を実施する。 最終年度の質問紙調査の保育者効力感尺度の開発に向けて,学生を対象とした保育者効力感及び保育職への就業予期と考察力との関係について分析し,学会発表並びに論文執筆を行なった。分析の結果から,効力感については特に個人内での持続性が低いこと,就業予期が高い学生ほど「授業を真面目に聞いている」ことの顕示が考察を阻害しており,考察ではなく学習内容の剽窃が表現されることなど,保育者養成を学校文化の中で行う上での問題点が抽出された。今後の改善策としては,学校文化への過剰適応について教員間で認識を共有する機会を設けるなど,キャリア教育として配慮すべき事項を明確化する工夫が必要であるとした。 (学会発表)保育学生における<気づき>の促進要因 ―就業予期と効力感の視点からー.日本応用心理学会 第88回大会. (論文)授業から得た<気づき>の分析;効力感と就業予期との関連から.常葉大学保育学部紀要,10,1-10.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19により2020,2021年度に渡英ができず,調査開始が遅れた。また国内保育施設も感染対策から部外者の立ち入りを禁止していたので,国内調査から着手するということも困難な状況であった。国内調査の質問項目を決めるために,先行して英国調査を行う計画であったため,イギリスでの入国後待機期間が無くなったが,日本への入国時の手続きは48時間以内のPCR陰性証明が必要であった時期に渡英し調査を開始した。しかし,丸2年間の遅れは影響が大きく,保育現場での制限解除の状況を見ながら,少しずつ国内調査に着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
既に調査依頼の予告をしている県内市町の役所と連携し,公立保育所,こども園にて,管理職と保育者をセットにしたインタビュー調査を実施する予定である。特に英国調査で得た「小学校の学習カリキュラムとの接続」の観点から,管理職には各園で「見通し」ている学習指導要領改訂後の小学校で求められる就学準備に関する認識と,指針改訂に伴う園の取り組みや研修による情報共有プロセス,そして担当の割り振りの実際と方針について,保育者の就業継続状況と重ね合わせて質問していく。また,来年度までには県外の調査ができるよう依頼等準備を進めていく。 2回の英国調査で得られたデータの分析方法については,テキストマイニングの手法を中心に検討し,まず管理職の視点からの分析を試みる。その結果を今年度学会で発表する。 また英国の保育指針改訂の動向と施設側の対応に関してと,英国保育施設における雇用状況の変化に関して,紀要2論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
6月の渡英時の航空運賃において,ANA直行便が欠航でJAL便を利用することになったため,これまでの渡英時から大幅な運賃上昇となった。予算段階では大幅な値上がりを見越していたが,10月渡英時にANA直行便が再開されたため,コロナ前よりは高額であったが,6月の航空運賃よりは少し安価となったため,差額が生じた。また10月渡英時に,本来初日はロンドンに滞在予定であったが,GWR(国内鉄道)のストライキにぶつかったため,予定を直前で変更し,調査地であるDevon,Plymouthにフライト当日中に強行移動を行なった。学内規程により都市部と地方の宿泊費・日当の違いから,差額が生じた。 来年度も旅費中心の予算となっているが,国内調査となることが見込まれ,この差額を用いてインタビューデータの質的分析に使用するソフトのアップデートを行う。
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