2020 Fiscal Year Research-status Report
縦断研究と介入研究による児童の社会コンピテンスが心理適応に及ぼす影響の検討
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20K03355
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 和大 北海道大学, 教育学研究院, 講師 (20609680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 拓真 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (50805489)
山村 麻予 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (70745190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会性 / 向社会的行動 / 動機づけ / 学業達成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年はコロナウイルス感染症の拡大により予定していた小学校における縦断調査を行うことができず、課題計画の変更を余儀なくされた。代替課題として、既存の縦断調査研究で報告されている相関行列に対してメタ分析の構造方程式モデルにあてはめ、縦断調査のクロスラグモデルを検討する課題を実施した。具体的には以下の課題を行った。 1)友人からの受容と向社会的行動の相互的関係に関する分析 2)学習における価値づけと学業達成の相互的関係 方法は複数のデータベースによる検索で、ヒットした論文の内容を精査し分析に含めるかどうかを判断した。1)については、思春期の生徒では、両者の相互的関係は認められなかった。一方、年齢が小さい子どもについては、向社会的行動をとると、友人から受容されること、友人から受容されると向社会的行動が促進されるという相互関係が認められた。2)については、成績が高いほど後に価値が高まること、また価値づけが高いほど後の成績がよいことが分かった。現在、学会発表の資料や論文化に向け準備を進めている。 介入研究については、分担者の松本を中心に小学生91名に対して行った。介入では、SOSの出し方について介入を行う群、従来型のストレスマネジメントを行う群、統制群(Waiting list群)であった。統制群については後にSOSの出し方について介入を行った。従属変数として、学校適応、被援助志向性、抑うつ、友人援助に対する自己効力感を介入前後と遅延効果の3時点で測定した。結果については分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
縦断調査はコロナウイルス感染拡大の影響をもろに受けたが、代替の課題を行ったため、全体的に研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はコロナ感染の動向を踏まえつつ、縦断調査実施の準備を行う。また、昨年度の介入研究の結果や改善点を踏まえ、今年度も介入研究の実施を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大により、当初予定した縦断研究の予定が変更になった。それに伴い、PC購入を行わなかったため余りが生じた。また旅費についても全て予定がキャンセルになった。今年はPC購入や調査実施を行う予定であるため、それらの費用に充てる予定である。
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