2020 Fiscal Year Research-status Report
不登校予防につながる子どものレジリエンススキルの縦断的・質的解明
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20K03362
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 朋子 静岡大学, 教育学部, 教授 (90337733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
古見 文一 静岡大学, 教育学部, 講師 (70771848)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レジリエンス / 不登校 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、当初の調査予定が計画通りに進めることが難しい状況であった。そのため、日本における子どもを対象としたレジリエンス研究,そして学校危機の各段階におけるレジリエンスの報告などを概観しながら,小泉(2016)の報告にならい,今後,新たに発生するであろう「学校危機」に備える意味で,日本の学校現場におけるレジリエンスの育成について実践的なアプローチを提案するための文献調査を行った。 小学生から高校生までの先行研究を概観すると,①各段階におけるレジリエンス尺度の作成,②レジリエンスと個人内要因との関連(自尊感情,精神的健康やストレス反応等),③レジリエンスと環境要因との関連(ソーシャルサポート,家庭環境等)に分類できる。これらをふまえ,日本の子どもを対象としたレジリエンス研究を発展させていくためには,同一尺度を用いた縦断調査により小学生から高校生までの推移を追跡することや、小学校低学年を対象とした調査方法についても検討される必要があると考えられる。 さらに日本の学校で子どもたちのレジリエンスを促進するためには,プログラムにより子どもたちに直接,レジリエンスの保護因子に関係する知識やスキルの学びを提供する「授業アプローチ型」。そして「教育活動型」ではカリキュラム,そして学級経営や教師の関わり,などがあげられ、これらはそれぞれ独立しているのではなく,「相互作用」により,より促進されるものであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校が休校になるなど調査が難しい状況になったため、2020年度に計画していた調査を十分に進めることが難しかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は学校の一斉休校などが予定されていないこともあり、小中学生、高校生を対象としたレジリエンスに関する調査を実施する予定であり、すでに調査協力校も確保できている。昨年度からの引き続きの縦断調査により、発達的な推移を検証するとともに、レジリエンスが上昇した生徒の抽出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により研究を計画通りに進めることが困難だったため。2021年度以降に実施するレジリエンスの縦断調査のためのマークシート作成費用、データ入力、旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)