2021 Fiscal Year Research-status Report
教師と心理臨床家の専門的態度の協応の可能性:曖昧さへの態度の観点から
Project/Area Number |
20K03365
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
西村 佐彩子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (80457415)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 曖昧さへの態度 / 教師 / 心理臨床家 / 教育相談 / 生徒指導 / 心理面接 / 教師自己効力感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,教職と心理臨床の両方の専門性を学んだ上で,それらを協応させていける可能性とその際に生じる困難について「曖昧さへの態度」という観点を軸にして明らかにすることである。2021年度は以下の研究を実施した。 ①2020年度に実施した教員養成大学生を対象とした質問紙についての追加調査及び学会発表を行った。教員養成大学生版の教育相談における曖昧さへの態度尺度の因子構造の検討を行い活用可能性について示した上で,大学生にも使用可能な教師効力感尺度を用いてその関連を示した。本結果をふまえ,現職教員を対象とした調査実施も有効であると考えられた。 ②当初予定では現職教員を対象とした質問紙調査では生徒指導・教育相談場面に共通する教師の曖昧さへの態度を測定する予定であったが,2020年度に実施した予備面接調査をふまえて,生徒指導場面と教育相談場面では異なる態度の様相も想定されたため,生徒指導場面と教育相談場面を分けて測定する形で質問紙の再検討を行った。その上で,現職教員を対象に質問紙調査(教師の曖昧さへの態度,教師自己効力感,職務ストレッサー,日常版曖昧さへの態度)を実施した。2021年度中に200部配布し118部回収した。本研究成果は2022年度に心理学関連学会で発表予定である。 ③教職と心理臨床の両方の専門性を持つ援助職を対象とした面接調査に先立ち,研究代表者所有の心理面接における曖昧さへの態度に関する臨床心理士を対象とした面接調査(2011年学会発表)について再検討し心理職の現状をふまえた今後の展望について論じ,論文にまとめ直した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により,調査協力依頼予定の研修会等が中止となり,現職教員を対象とした質問紙調査の実施はできたものの予定していた回収数に満たなかった。それに伴い質問紙調査の分析が遅れたこと及びCOVID-19の感染拡大状況をふまえて,年度後半に実施予定であった面接調査を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施した現職教員を対象とした質問紙調査の分析及び学会発表を進めると同時に,調査回収数が予定に満たなかったため追加調査も実施する。また,教職と心理臨床の両方の経験を持つ援助職を対象とする面接調査についても行う。研究成果については順次学会での発表及び論文の執筆を進め,関連研究者とのシンポジウムを開催する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により,出張や面接調査の実施が次年度に延期になったこと,質問紙調査が予定数を満たさず次年度に継続実施となったことから,次年度使用額が生じた。
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