2023 Fiscal Year Research-status Report
Psychological traits and mental skills of long-term fieldworker
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20K03376
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
高橋 康介 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (80606682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フィールドワーカー / 認知特性 / 心理特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では長期フィールドワーカーを対象とし、オンライン質問紙調査による心理特性の測定、タブレット実験を用いた認知特性の測定、そしてインタビュー調 査を中心にフィールドでの心の動きやストレス対処などの心理プロセスに関する質的研究を実施する。以上の量的、質的研究を通して、長期フィールドワーカー の心理・認知特性を明らかにし、長期フィールドワークを可能にするメンタルスキルを解き明かすことを目的とするものである。 2023年度は、日本心理学会において大会企画シンポジウム(生態人類学会・日本心理学会連携企画)「長期フィールドワークを支えるこころの働き」を企画・開催した。フィールドワーカー3名(生態人類学会)、心理学者3名の6名が登壇し、自身のフィールドワークの体験やこれまでの研究成果について議論した。また研究代表者の高橋が当事者研究としてアフリカ・タンザニアにおける短期フィールドワークを実施し、オートエスノグラフィおよび心拍記録を実施した。そこでは未熟達な研究者がフィールドワークを行う際のメンタルヘルスの維持の困難さが浮き彫りになった。さらに途中からは研究協力者のフィールドワーカーと同行し、フィールドワーカーのフィールドワークの様子を観察しながら、その際のメンタルヘルスの維持について直接的な調査を実施した。研究分担者の小島は、2022年度までのインタビュー調査の結果をまとめて、研究成果を英語学術論文として出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワーカーを対象としたオンライン調査とインタビュー調査については予定通り実施し、興味深い知見を得ることができた。当初の予定であったタブレット実験から、より個別の体験を重視する方向に研究方法をシフトすることで、研究知見をさらに深堀りすることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールドワークの個別事例について、オートエスノグラフィの内容を含め、さらに掘り下げて検討する。2023年度に成功した心拍記録の分析を行い、今後のフィールドワークにおける心的側面の研究に利用できるような方法として事例を増やして検討していく。
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Causes of Carryover |
タブレット実験の方向性を見直し、個別事例に注目した研究手法を採用することとした。次年度は、調査データの出版を行うとともに、心拍記録とオートエスノグラフィを進め、本研究の集大成とする。
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