2020 Fiscal Year Research-status Report
The experimental study on the interaction between personality traits and personality typologies by physiological and behavioral indexes.
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20K03380
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Research Institution | Tohoku Bunkyo Junior College |
Principal Investigator |
松田 浩平 東北文教大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30199799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵美 東京富士大学, 経営学部, 准教授(移行) (20569975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーソナリティ / 前頭脳血流 / 反応時間 / 個人内変動 / 類型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年(2020年)度は,平成24年度 基盤研究C 24530846"生理・行動指標によるパーソナリティの実験心理学的研究"から得られたデータを再処理した研究(Matsuda & Sato, 2019, https://doi.org/10.3390/bs9120155および Sato & Matsuda, 2019, https://doi.org/10.1002/ijop.12501)を進め実験モデルについて再検討した。持ち運び可能なラップトップPCにバイタルモニタ(T7500M)を設定し,nIR-HEGキット(8726-GB),EEG-Zセンサ(T9305Z)にTT-EEG2チャンネル接続キット(T8760)ならびにEKG(心電図)センサ(T9306M)を接続してE-Prime3の制御による実験機器を構築した。生理指標・反応時間の測定について動作確認を行なった。さらに,実験参加者による予備実験で機器設定条件を調整して測定精度(相対誤差0.5%)を目指す予定であった。本研究では,実験機器装着や唾液等の採取を行うため身体接触を必要とする。新型コロナウイルス感染症予防のためやむなく対面実験を中止して,関連した資料論文をInternational Journal of Psychologyに投稿した。 令和2年度において,研究代表者は,バイタルモニタとE-Prime 3による生理指標と反応時間を測定する実験システムの構築と動作確認までは完了したが,実験参加者の反応を検討したチューニングには至っていない。分担研究者は,実験装置のチューニングが未了のため測定精度を前提とした実験デザインの再構築が難しく,本年度はE-Prime 3を用いた評定条件の立案や実験刺激ならびに既存の質問紙および面接票立案に留まっている。対面実験が実施できる状況待ちである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大しているため,設備の整った医療機関などを除いて対面実験で生理指標の測定が困難になっている。また,東京都新宿区と山形市相互における出張および分担研究者と対面による装置構成の共同作業,実験デザイン,打ち合わせと機器のセットアップやチューニングも不可能な状況が続いている。そのため,令和2年度は,それぞれ,機器の構築とセットアップ,E-Prime 3を用いた評定条件の立案や実験刺激ならびに既存の質問紙および面接票立案に留まっている。そのため今年度は,主に実験用システムの構築を中心とした研究を進めたが,予備実験によるチューニングを行うことができかかった。また,研究の本拠地を東北文教大学短期大学部としたため研究代表者は研究分担者所属機関へ1回,分担研究者は研究代表者所属機関へ2回の打ち合わせのための出張を予定したが,こちらも執行することができなかった。この状況が改善されない限りは,安全に実験参加者との対面実験が難しいため予備実験にすら不可能である。COVID-19の状況が改善し,マスクとフェイスシールド装着で実験可能な状況になったら直ちに実験に取りかかりたい。新型コロナウイルス感染症が改善すれば感染症予防に留意して実験に取りかかりたい。しかし,現在のような状況が続くようなら研究期間の延長を願い出ることもやむを得ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症が令和3年度秋以降に収束傾向に向かうことを前提とする。令和3年度は,実験参加者に1回あたり2000円の謝金を支払いデータ収集する。実験データの収集は松田と佐藤が既存の機器も併用して山形と東京で実施する。実験協力者に生理機器を装着するため,女性には佐藤が,男性には松田が担当する。また携帯可能なシステムであるため,他地域での実験・測定は共同して役割分担する。データ処理と統計解析は主にSPSSを使用し結果の解釈は共同して行う。データ量が大きく個人情報を含むためデータの受け渡しは各自が記憶媒体を持参する。そのため令和2年度と同様に旅費を要する。 令和4年度は,進捗状況に応じて実験参加者を追加する場合もあるが,データ解析ならびに報告書の執筆作業にあたる。反応時間から,質問紙検査や面接および規定要因(因子,反応キー,個人間差など)との関連性を解析する。生理指標は,評定条件と脳血流・α波の左右同期・心電図などを用い,刺激語への反応が扁桃体優位か前頭前野優位など反応時間では測定できない要因を検討する。これをもとに,異なる評定条件による生理・行動指標の変化を明らかにし,1)被験者内相対的変動,2)被験者間相対的変動,3) 被験者内相対的変動×被験者間相対変動で階層的および非階層的クラスタ分析を行う。クラスタに含まれる被験者の生理・行動指標から特徴とクラスタ内での特性の変化を従来の研究結果と比較検討し報告書を冊子として作成する。 実験結果より,独立した特性間で生じる個人内変動による個人間差をクラスタ分析で類型化し,類似した特性内で生じる小さい個人間差を性格特性とし,従来からの特性論だけでなく新たに類型論を融合させた新たな相互作用に基づくパーソナリティ理論を検討する。これらの成果は国際学会で発表しBehavioral Sciences等国際誌に投稿する
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Causes of Carryover |
令和2年度に提出した研究計画において,研究の本拠地を東北文教大学しているため,研究代表者には1回,分担研究者には2回の打ち合わせのための出張を要した。併せて,実験機器の設定と実験参加者を招いて予備実験による研究代表者と分担研究者との共同作業で詳細なチューニングを予定していた。しかし,新型コロナウイルス感染症拡大のため,研究分担者との共同作業を行うことが出来なかった。また,実験参加者を募集しての予備実験を実施することが不可能となった。そのため,機器の購入を行い設定と各センサとの接続試験に留まったため,新型コロナウイルス感染症があるていど終息し,サージカルマスクとフェイスガード着用で対面実験が再開可能となりしだい予備実験に取りかかりたい。また,国や都道府県による移動制限の要請が解除され次第に出張を再開し,分担研究者とともに機器の調整や実験参加者を交えた予備実験によるチューニングに取りかかるため,検査用チップや電極アダプタなど消耗品や関連費用について,令和3年度以降にこれらの差額を支出したい。
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