2020 Fiscal Year Research-status Report
養育者の洞察的受容と応答による幼児の感情表現・調整の発達への影響
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20K03382
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| Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
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Principal Investigator |
篠原 郁子 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 主任研究官 (30512446)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 感情調整 / 感情表現 / 幼児期 / 親子関係 / 洞察性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
養育者が，幼い子どもの感情や欲求などの心的状態に目を向けて受容し，応答する洞察的な姿は、親子間の安定したアタッチメントの発達や、子どもが親以外の他者の信念や感情を理解する社会的能力の発達を促進するとされている。しかし，子ども自身による心的状態の表現や調整の発達に及ぼす影響に着目した実証研究は未だ少ない。
そこで本研究では，幼児の母親が示す自分の子どもの心的状態の読み取りやその内容についての洞察性に着目し，幼児の感情表現や感情調整の発達状態との関連を調べることを目的とした。計画当初，幼児とその母親に実験室への来訪を依頼し，母親への実験と面接による聞き取り，子どもへの感情表出と調整に関する実験を実施する予定であった。
しかしながら今年度，研究者の所属機関所在地では，新型コロナウイルスの感染拡大防止のための取組が強く求められ，複数回の緊急事態宣言が発出される状況であった。幼児期の親子に対面の形での研究協力を行うことは極めて難しく，今年度の調査実施を見送った。
そこで本年度の研究としては，乳幼児期の感情発達と感情調整について，理論的整理と実験方法に関する文献調査を行った。その成果は乳幼児の感情調整に関する書籍原稿（印刷準備中）にまとめるとともに，学会発表を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により，感染防止・拡大防止対策のために幼児期の親子を対象とした面接，観察，実験について，今年度は見送らざるをえず，データを得ることが困難であった。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在においても新型コロナウイルス感染症への対策が必要とされる中，幼い子どもと親への対面での面接，実験，観察の実施は，当面，厳しい状況ではないかと考えている。
母親への面接調査についてはオンラインでの調査に切り替えて協力を依頼することや，子どもの感情表現や感情調整についての実験を実施するのが難しい見込みから，家庭での感情表現・調整の様子に関する母親回答式の質問紙調査に変更する必要性について，検討している。
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| Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染症の流行による影響で，計画していた親子への実験，調査を全面的に見送ったほか，参加・発表を予定していた国際学会も延期，変更となり，計画していた研究計画，内容から大きな変更が生じたため次年度使用額が生じた。
来年度は，特に親子への調査をオンラインを活用して実施することも考え，実験用PCやインターネット環境の整備，部分的でも対面での実験実施を行うための実験室の環境整備のために研究費を使用する計画である。
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