2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of clinical behavior analysis for ASD girls group.
Project/Area Number |
20K03390
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
佐田久 真貴 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10441479)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ASD女子 / 臨床行動分析 / グループ療法 / 仲間 / ケースフォーミュレーション / 意思決定 / 自己肯定感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,①実践事例の縦断的効果検証と新規事例の積み上げ,②思春期・青年期女子グループ支援の臨床プログラムを発展させ,その意義と必要性を明確にする,の2点を目的とした実践研究である.2022年度は引き続き,成長期の自閉スペクトラム症(ASD)女子グループに対する臨床行動分析的グループ療法を対象者の成長や新規参加者の状態像に応じてアレンジし,実践事例の縦断的効果検証と事例の積み上げを行うことを目的とした.このプログラムは本人や家族,社会的にも非常に意義ある研究であると考えている.対象者には特性について告知を受けて認知しているケース,確定診断を受けてはいないが特性がある自己理解しているケース等が混在していることから,心理教育の内容は慎重にアレンジした.発達障害特性やその疑いのある女子限定の臨床行動分析的グループ療法の有用性を明らかとしていきたい. 今年度は既存のグループに加えて,公的機関との連携により,新規グループを開始することができた.また,別グループの参加者同士が再会する合同イベントも行うことができ,参加者とその保護者の支援を拡大実施することができた. 個々の事例に対しては,進路や進学等の課題が成長と共に生じる.その課題や悩みへの対処法は対象者に応じた機能分析に基づくケース・フォーミュレーションが重要となる.今年度も個別対応をグループ療法と並行し,日常生活のスキル習得と問題の解決,さらには不安の軽減,将来に向けての目標を含めた意思決定や自己肯定感の向上に留意した臨床行動分析に基づくカウンセリングを行い,それぞれ効果が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存のグループ療法は計画通りに実施できた。公的機関との協働により,新規グループを開始することもでき,複数のグループの合同イベントを開催することもできた.特性や悩んでいることが似ている人と出会いたいという動機づけのある対象者にとって,より多くの仲間との出会いや交流は自己理解の促進や将来に向けての自己決定に影響する.これらの影響をより良く認知し、効果を維持するには、個別カウンセリングの場面は重要となる.発達過程では,進路や進学などさまざまな選択肢があるが,悩みや課題などが生じてしまう.これらの課題に対しては機能分析を行い,目標の設定を協働で行えた.
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Strategy for Future Research Activity |
既存のグループ療法の継続と、今年度はさらに新規グループの立ち上げを予定している,本研究の社会的意義が認められ,公的機関との連携を維持・拡大できることになってきた.今後も引き続きグループ療法と必要な時期には個別カウンセリングを並行していく. また,縦断的効果検証のため対象者とその保護者へのインタビュー調査を検討している.なお,今年度は国内学会での実践報告を予定している.
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