2023 Fiscal Year Annual Research Report
学校を中心とした生活困窮世帯の子どもと家庭の支援に関する実証的研究
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20K03401
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
吉住 隆弘 中京大学, 心理学部, 教授 (60535102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 弘通 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20399231)
飯田 昭人 北翔大学, 教育文化学部, 教授 (60453289)
畠垣 智恵 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60436988)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / いじめ / 自傷行為 / 精神疾患 / フィンランド / ワンストップガイダンスセンター / 学習支援 / 居場所 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題研究「教員の貧困認識の特性と支援における困難感の検討」について,昨年度学会発表した教員から得られた自由記述内容の分析結果を,論文にまとめ発表した。 課題研究「貧困が子どもの発達に与える影響の実証的検討」について,以下の研究を行った。1つめは,いじめや自傷行為といった子どもの問題行動について,家庭の経済状況との関連を検討した。2つめは,新型コロナウイルス感染状況が大学生に及ぼす影響についての調査を行った。10%強の経済的困り感を抱えた大学生たちにおいては,大学生活に深刻な影響を及ぼしている可能性が示唆された。3つめは,親が精神疾患に罹患し家族でケアをしていた経験のある大学生へのインタビュー調査を実施した。親の障害はうつ病または適応障害であった。子どもから見た親,夫婦の様子とその変化,義実家との関係,きょうだいの反応,子ども同士の付き合いや学校・学習への影響について考察を行なった。 課題研究「学校内でのチーム支援の検討」および「学校が地域の社会資源とつながるための仕組みの検討」について,1つめは,フィンランドが若者支援として行っているワンストップガイダンスセンター(オホヤーモ)を視察した。ハローワーク,福祉事務所,ヘルスケアに関する専門家が一か所に集い,学校と連携・協働しながら,若者が抱える様々な問題に対して包括的なサポートが行っていることを学んだ。視察内容を論文としてまとめ発表した。2つめは,生活困窮世帯の中学生を対象とした学習支援事業に関する研究で,中学生とその保護者,および学習支援サポーターを対象に調査を行い,学習支援の効果について,2022年度の調査と比較した。また学習支援事業の機能として,子どもが抱えている困難の特徴や,そのような子どもたちへの学習支援の役割を,「居場所」という視点からまとめ,論文にて発表した。
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