2020 Fiscal Year Research-status Report
小中学生における発達段階別・無気力感構造の検討と予防チェックリストの開発
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20K03413
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
牧 郁子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70434545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小学生 / 中学生 / 無気力感 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 児童期・思春期における不登校・うつ・自殺に関わる文献研究 小中共用版 無気力感尺度を作成するにあたり,国内外の研究における子どもの無気力感・抑うつの測定尺度に関する文献研究を行った。その結果,子どもの無気力感・抑うつに関わる構成要因は,行動意欲の低下・回復力のなさ・目標の喪失・身体症状・抑うつ気分・他者への悲観的認知・自己への悲観的認知・無力感といった8つに集約された。そして得られた構成要因を, Seligman(1974)による学習性無力感の兆候の枠組み(動機づけの障害・情動の障害・認知的障害)と児童期・思春期の認知情動発達の観点から整理・分類を行った。その結果,行動意欲の低下・回復力のなさ・目標の喪失・身体症状は動機づけの障害に,抑うつ気分は情動の障害に分類され,またこれからは主に児童期・思春期に関わるものと考えられた。一方,他者への悲観的認知・自己への悲観的認知・無力感は認知的障害にそれぞれ分類され,これからは主に思春期以降に関わるものと考えられた。 2. 小中共用版 無気力感尺度原項目の作成 当初文献研究に加えて,小学生・中学生を対象とした登校行動への意欲低下・心身の意欲低下・生きる動機づけの低下に関わる自由記述調査の実施したうえで,尺度原項目を作成する予定であった。しかし新型コロナウイルス感染拡大のため,学校現場における調査を断念せざるを得なかった。そこで文献研究で行った子どもの無気力感・抑うつに関わる8つの構成要因を,学習性無力感理論および児童期・思春期の認知情動発達の観点から整理・分類した理論的枠組みに,動機づけの水準(登校行動への意欲低下・心身の意欲低下・生きる動機づけの低下)・動機づけの質(無力感・無価値感)・項目の表現型(ネガティブ表現・ポジティブ表現)を掛け合わせて,小中共用版・無気力感尺度原項目の作成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小中共用版 無気力感尺度尺度項目作成のための学校現場での自由記述調査は,新型コロナウイルス感染拡大のため実施できなかった。しかし,尺度原項目作成のための文献研究・文献研究に基づく尺度原項目の理論的枠組みの構築,および尺度原項目の作成は概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.小中共用版 随伴性認知,コーピング・エフィカシー,思考の偏り,保護者との情動交流尺度原項目の作成 これまで作成してきた各小学生版・中学生版尺度の項目を見直し,研究対象である小学校4年生~中学校3年生が共用できる尺度項目原案を作成する。 2.小中学校への調査協力依頼と調査協力校の決定 本研究では発達段階別の無気力感構造を検討するため,小中共用版の測定尺度を作 成し,その信頼性・妥当性を検証する必要がある。こうしたことから令和3年度は,作成した小中共用版 無気力感,随伴性認知,コーピング・エフィカシー,思考の偏り,保護者との情動交流尺度原項目で,アンケートフォームを作成する。そして小学校4年生~6年生,および中学校1年生~3年生を対象とした調査協力を小学校・中学校に依頼し,協力校を決定したい所存である。但し,新型コロナウイルス感染拡大のため,R3年度の調査依頼は出張が可能であると考えられる関西圏を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
「小中共用版 随伴性認知,コーピング・エフィカシー,思考の偏り,保護者との情動交流尺度原項目の作成」のために,国内外の論文・書籍の購入が必要である。またアンケート調査準備のため,調査依頼書類の作成(研究依頼書・研究概要書・アンケートフォーム)を行うことから,新しいバージョンのノートパソコン・パソコンソフト・プリンタートナーの購入が必要である。調査依頼を行うための交通費,および書類の郵送費が必要である。
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Research Products
(2 results)