2021 Fiscal Year Research-status Report
小中学生における発達段階別・無気力感構造の検討と予防チェックリストの開発
Project/Area Number |
20K03413
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
牧 郁子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70434545)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 小学生 / 中学生 / 無気力感 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.小中共用版 無気力感尺度原項目の改訂と調査使用項目の最終選定:令和3年度作成した小中共用版・無気力感尺度原項目のネガティブ表現21項目・ポジティブ表現21項目について,国内外における子どもの無気力感・抑うつに関する最新知見を収集・精読し,項目内容を一部修正した。そしてネガティブ表現項目21項目・ポジティブ表現項目21項目の中から,調査で最終的に用いる21項目を,ネガティブ・ポジティブ表現のバランスを鑑みて選定した。 2.小中共用版 主観的随伴経験尺度,コーピング・エフィカシー尺度,思考の偏り尺度,情動交流尺度原稿目の作成:中学生版・主観的随伴経験尺度(牧ら,2003),中学生用 コーピング・エフィカシー尺度(牧ら,2006),中学生用・思考の偏り尺度(牧ら,2007),および児童用・情動交流尺度(牧,2019),児童用・主観的随伴経験尺度(牧,2019),児童用・コーピング・エフィカシー尺度(牧,2019),児童用・思考の偏り尺度(牧,2019)それぞれの内容を参考に,小中共用版・主観的随伴経験尺度原項目16項目,小中共用版・コーピング・エフィカシー尺度原項目6項目,小中共用版・思考の偏り尺度原項目8項目,小中共用版・情動交流尺度原稿目16項目をそれぞれ作成した。 3.アンケート調査依頼準備および倫理委員会への申請:小学校・中学校に調査を依頼するため,依頼書類一式(研究概要・調査概要・調査で使用する尺度項目・アンケート調査用紙のサンプル・調査結果報告書サンプル)を作成した。そして,作成した調査依頼書類に基づき,学内の倫理委員会に審査の依頼を行った結果,本研究の申請が承認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,小中学校への調査協力依頼と調査協力校の決定までは至らなかった。しかし,本研究に必要な小中共用版 無気力感尺度,小中共用版・主観的随伴経験尺度,小中共用版・コーピング・エフィカシー尺度,小中共用版・思考の偏り尺度,小中共用版・情動交流尺度の各原稿目の作成が終了した。また調査に先立ち作成した依頼書類一式を踏まえて,学内の倫理委員会への申請も承認された。以上から調査準備がほぼ整い,概ね順調に進んでいると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.小中学校への調査協力依頼と協力校の決定,および調査の実施:本研究では令和3年度までに作成した小中共用版測定尺度の信頼性・妥当性を検証しかつ発達段階別の無気力感構造を検討する必要がある。以上から令和4年度は,令和3年までに作成した尺度を用いたアンケート調査を小学校4年生~6年生,および中学校1年生~3年生を対象として実施する予定である。そのために小学校・中学校に調査を依頼し,協力校を決定した上で,アンケート調査を実施する予定である。 2.小中共用版 無気力感,随伴性認知,コーピング・エフィカシー,思考の偏り,保護者との情動交流尺度の信頼性・妥当性の検討:実施した調査結果をもとに,本研究で作成した小中共用版測定尺度の信頼性・妥当性を検証する予定である。 3.児童期・思春期における発達段階別・無気力感構造の検討:本研究で作成した小中共用版測定尺度の信頼性・妥当性を検証したうえで,発達段階別 の無気力感の構造を,学年別に検討する予定である。
|
Causes of Carryover |
アンケート調査準備・実施のため,小学校・中学校に調査依頼する際の交通費,および小学校・中学校で実施するアンケート調査用紙の印刷代・郵送費が必要である。また本年度は調査結果を分析して,尺度の妥当性の検討・児童期・思春期における発達段階別・無気力感構造の検討を行う予定であることから,アンケート調査結果データの入力外注費用と,新しいバージョンの統計ソフト・データ保存のための大容量ハードディスクの購入が必要である。また上記の分析結果の考察を行う際の,国内外の論文・書籍の購入が必要である。
|
Research Products
(1 results)