2020 Fiscal Year Research-status Report
Possibilities of collaboration between psychotherapy and music therapy for patients with intractable neurological diseases
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20K03414
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 圭吾 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00230730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 誠一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (60186939)
加戸 敬子 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (60751188)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経難病 / 音楽療法 / 心理療法 / 協働 / 患者・家族支援 / 医療現場 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、ALS患者を含む神経難病患者の精神的健康や幸せ感について、音楽療法と心理療法の協働が及ぼす影響について明らかにするものであります。もともとALSは、発症後徐々に筋肉の運動が弱まっていき、最後は呼吸を含めた体全体を動かせなくなります。それでも心は明晰なままに残るので、患者の喪失感は激しく、精神的健康や幸せ感を保つのは非常に困難といわれています。音楽療法は、元八鹿病院の近藤清彦医師により開始され、心が明晰に清明に残る患者の心に直接働きかけ、過去の元気だったころに即座に戻って涙を流したり、有効な介入とされています。しかし一方患者が病気を受け入れ、これまでの人生の自己に病気の自己を組み込み、統合することが病気の受け入れやその先の死の受け入れに重要だとされています。そこは心理療法の役割ですが、音楽療法から得た人生の大切な曲を共有し、そこから人生の振り返りをすることで、無理なく人生を振り返り、制限された言語の中でも可能にしていく試みを含みます。 近藤清彦医師の紹介を受けて関東の病院の協力を得て、共同研究者の仕事場である刀根山病院の協力を得て、実験を進めていくつもりです。当該年度の成果としては、後で述べる通り、コロナ禍により実験を進めることができていません。ですからその準備として、精神的健康を測定する尺度の購入、音楽療法の録画を行うビデオカメラ(三脚)、編集を行うパソコンなどの購入、発達心理学会における音楽療法と心理療法の発表などです。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では昨年度の秋以降に音楽療法士と心理療法士の説明会を開催する予定でしたが、コロナ禍でできませんでした。日本でALS患者に音楽療法を導入した近藤清彦医師とZOOM会議を開催し、今後の研究計画を議論した時も、コロナ禍が収まらなければ、病院で音楽療法を行うことそのものが難しいだろうということになりました。共同研究者の加戸は病院臨床をしている関係でワクチンは摂取しましたが、吉田も齊藤も接種は未定です。今年度は本実験に入る予定でしたが、コロナ過が収まる来年度の後半くらいが現実的ではないかという感じです。その意味で研究時期の4年までの延期は確実だと思います。コロナ禍のおさまりが悪ければ5年まで延期しないと研究成果の公表にまでいけないかもしれません。ひとり積極的なALS患者の人には遠隔で行うことも検討しています。そうなると今年度に一人の患者さんで行い、質的に検討するということは可能です。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進として、コロナ禍の収まり具合を見て、音楽療法士と心理療法士を選出し、来年度のいずれかの時期から本研究を少しずつでも開始できればと思っています。今年度中の本実験の開始はかなり難しいのではないかと思われます。1名の積極的なALS患者の人に先に遠隔で音楽療法と心理療法を行い、質的研究としてまとめることは考えています。病院の協力を得ることが必須なので、東京は近藤清彦医師の紹介で、関西は刀根山病院を中心とした協力を得る予定です。音楽療法士は音楽療法学会の紹介で、臨床心理士は、兵庫県と大阪府の臨床心理士会の協力を得る予定です。研究計画の変更点は、音楽療法士と臨床心理師への説明会を来年度の初めに変更、本実験を来年度の後半くらいから、コロナ禍の収まり具合を見て開始する予定です。4年目の再来年度まで実験を続け、4年目あるいは5年目に研究成果を学会発表、学会誌執筆、国際学会における発表などを行っていく予定です。
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Causes of Carryover |
本来なら音楽療法士と心理療法士の説明会を2020年内に東京と大阪で開催する予定がコロナで開催できず、人件費や謝金が未執行となった上に、コロナで国際学会や国内学会も参加が取りやめになって未執行となったから。
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Research Products
(2 results)