2021 Fiscal Year Research-status Report
MMSEを用いたレビー小体型認知症の簡易鑑別法;高齢者に負担をかけない新しい評価
Project/Area Number |
20K03420
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
村山 憲男 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (00617243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心理アセスメント / レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 / MMSE / 模写課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
レビー小体型認知症(DLB)とアルツハイマー型認知症(AD)は臨床症状に共通点が多く、臨床的に鑑別が困難であることが多い。そのため、認知症分野において、両疾患の的確な鑑別は重要な研究課題であり、心理検査にも高い期待が寄せられている。 Mini Mental State Examination(MMSE)は、国内外で広く用いられている心理検査である。この検査の目的は合計得点による認知症のスクリーニングであるが、模写課題などDLBとADの鑑別に役立つ課題も多く含まれている。そこで本研究では、対象者が実際に示した検査結果を量的・質的に分析し、DLBの特徴を的確に評価するための新しい評価法を開発する。この評価法により、MMSEの被検査者(多くが高齢者)は、検査を受けることによる負担は従来と変わらないまま、新たにDLBの可能性に関する情報が得られることになる。そのため、被検査者にとってのコストパフォーマンスという点でも、本研究の臨床的価値は高い。 本研究の対象者は、認知症専門医により、国際的な臨床診断基準でDLBないしADと診断された60歳以上の高齢者、および、健常高齢者である。データ収集は2020年度からスタートし、最終年度まで続けていきたい。実施する心理検査は、MMSEを全対象者に実施するほか、対象者の負担や臨床的な利益を考慮して可能な範囲で、WAIS-IV(III)、WMS-R、BGT、他の神経心理検査、抑うつ評価などを実施する。独特な特徴を示す対象者には、主治医と相談の上、検査バッテリーを柔軟に検討していく。得られたデータは2022年度以降に分析を本格化し、積極的に投稿する。 2020年度からシニアメンタルクリニック日本橋人形町の井関栄三院長、太田一実心理士と、2021年度からは昭和女子大学人間社会学部に所属する増淵裕子専任講師を当研究の研究協力者として研究を遂行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、遠隔授業のための準備にエフォートが割かれたほか、高齢者の認知症の認知機能検査へのニーズも減少した。そのため、データ収集が十分に行えなかった。しかし、研究協力者が所属する他機関からの協力が得られたため、2021年度にはデータ収集がかなり進んだ。現時点でできる分析を進め、2022年度から2023年度にかけて論文投稿も目指していきたい。 また現在、シニアメンタルクリニック日本橋人形町に所属する井関栄三院長、太田一実心理士と、昭和女子大学人間社会学部に所属する増淵裕子専任講師を、当研究の研究協力者として研究を遂行している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響は大きいものの、可能な範囲でデータ収集は継続していく。また、実施可能な協力機関を積極的に増やしていきたいと考えている。 さらに、現時点で収集できたデータについては、随時分析を開始し、積極的に報告するほか、これからのデータ収集の改善にも活用していきたい。 現在の研究協力者である井関栄三先生、太田一実先生、増淵裕子先生は、本年度以降も本研究の研究協力者としてともに遂行していく。
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Causes of Carryover |
申請時からの研究計画では、データ収集や、全国規模での研究協力機関の開拓などを行う予定であった。しかし実際には、コロナ禍の影響が非常に大きく、旅費や人件費が使えなかった。また、心理検査に関する物品費も使うことができなかった。 2022年度は、できる限り予定に近いデータの取得を目指し、準備を進めて行く。また、既存のデータで分析できるものは、順次分析を進めて行きたいと考えている。 そのため、消耗品や新規の心理検査用紙などの購入が必要になる可能性がある。また、分析を進める上では、特に患者の描画データについて評価するために大学院生などの協力者が必要であり、謝金等の支出を予定している。また、投稿に向けた準備が整い次第、英文校正料や投稿料なども支出していく予定である。
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