2020 Fiscal Year Research-status Report
男性DV被害者の認知行動パターンとその支援の社会的実装に関する研究
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20K03421
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
越智 啓太 法政大学, 文学部, 教授 (40338843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デートバイオレンス / 新型コロナ / COVIT-19 / 恋愛関係 / ドメスティックバイオレンス / ハラスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナ感染状況でありデートバイオレンスに関しても通常の日常生活下とは異なる状況であり、当初の予定通りの質問紙調査が難しかった。しかし、コロナパンデミック下、緊急事態発出という特殊な状況下におけるデートバイオレンスの特徴を明らかにすることが出来るという点では重要な機会であった。そのため、本来の目的であった、1)デートバイオレンスにおける男女加害・被害の認知の非対称性とその規定因の調査、にくわえ、2)コロナパンデミック下におけるデートバイオレンスの実態調査、3)コロナパンデミック下におけるカップル間の恋愛行動の変容を調査項目を含んだ比較的大規模な調査を行った。 その結果、1)質問紙の質問方法によって男女のデートバイオレンス・ハラスメントに関する認知は異なり、バイオレンスや虐待などの直接的な質問をすることによって、男性<女性という被害の偏りが見られたが、「髪の毛を引っ張られた」、「いやがっているのに性的な接触をしてきた」などのより具体的な質問をした場合には男女の被害の差が消失するか減少する、場合によっては逆転することが明らかになった。2)コロナパンデミック下におけるデートバイオレンス・ハラスメントの程度は、コロナパンデミック以外の時期におけるデートバイオレンス・ハラスメントの程度よりもやや減少した。3)コロナパンデミック下におけるデートバイオレンスの減少は、恋愛関係にある二者間が同棲状態にあるか、別居しているかとは関連していなかった。4)コロナパンデミックは恋愛当事者間の愛情とコミットメントを増加させる傾向にあった。この調査結果はパンデミックや緊急事態宣言によるロックダウンがドメスティックバイオレンスを増加させるという海外の報告と矛盾する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナパンデミック状況であったため、本来の目的の調査ができず、質問内容などをある程度変えた予備的な調査にとどまってしまった。しかし、この調査によって、コロナ状況下でのデータの特性を把握することが出来たため、次の調査によって、この遅れは十分リカバリーできると考えられる。また、やはり、コロナパンデミック状況のため、自治体、警察等の関連機関との十分な連携や調査、見学、交流等ができなかった。この点についてはコロナの終息、または安定を待って再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、まず、コロナパンデミックの状況がある程度収まるのを待ち、終息または状況がある程度安定したら、昨年度行う予定だったものも含めた調査を行う予定である。本来の調査は、模擬的なシナリオ(男性が加害者のデートバイオレンス・ハラスメント状況と女性が加害者のデートバイオレンス・ハラスメント状況)を呈示して、その認知と、それに影響する諸要因の関連を分析するものである。現状では、夏明けまでは昨年度収集した調査データのより詳細な分析と次回の質問紙設定、文献調査などを行う予定である。
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