2022 Fiscal Year Annual Research Report
男性DV被害者の認知行動パターンとその支援の社会的実装に関する研究
Project/Area Number |
20K03421
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
越智 啓太 法政大学, 文学部, 教授 (40338843)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デートバイオレンス / ドメスティックバイオレンス / 恋愛関係 / 暴力 / ハラスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、デートバイオレンスの性差について検討した。従来の公的資料では、デートバイオレンスは男性が加害者であり、女性が被害者であると前提にされていることが多く、公的データでもそれを裏付けるものが多い。 しかし、この原因として、同じ程度の暴力やハラスメントの被害を受けてもそれを「デートバイオレンス」であると認知するかどうか、公的な機関や各種相談機関、友人等に相談するかどうかが性によって大きく異なっている可能性がある。 そこで、本研究では、いくつかの調査や面接調査でより具体的な項目を用いて質問することによって、実際に行動ベースで考えた場合に受けている暴力・ハラスメント被害については男女の差が非常に小さくなることを明らかにした。つまり、男性と女性は同程度被害に遭っているのに、男性被害は矮小化されやすかったり、暗数化されやすいということである。これは、コロナ下という特殊な状況下でもいえるし、また、アフターコロナの状況下でも同様に言えた。また、このような傾向は、概ねすべての種類のデートバイオレンス・ハラスメント、つまり身体的、間接的、言語的、性的、支配監視、経済的暴力、つきまとい・ストーキングで、そのパターンは若干異なるもののあてはまった。 ただし、この結果の一部は男性→女性の暴力がその逆の暴力に比べ、強力で危険であるために生じている可能性はあった(ただし、これは明確には確認できなかった)。 これらの結果を基にして、配偶者暴力相談センターの相談員むけの啓発資料を作成し、また、それをもちいて、男性の被害を見逃さないようにするための教育プログラムを作成した。
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