2020 Fiscal Year Research-status Report
日本・韓国・台湾における学生相談が心理専門職の専門性養成に与えた影響の比較検討
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20K03422
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
伊藤 直樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (50327087)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学生相談 / 専門性 / 東アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,韓国,台湾における学生相談の発展が心理専門職の専門性養成に与えた影響について,各国の学生相談の発展の経緯を踏まえて検討を加え,その結果を日本の状況と比較することにより,日本における学生相談の今後の発展の方向性について示唆を得ることを目的として実施されている。歴史的・文化的に関連が深いにもかかわらず,これまであまり重視されてこなかった東アジア地域の中から,アジアで初めて心理専門職の国家資格化を行った台湾と,現在,国家資格に向けた議論がなされている韓国に焦点を当てた研究は本邦において例が見られないものであり,研究成果は本邦の学生相談に関する研究に大きく貢献するものであると考えている。 本年度は,まず,学術文献のデータベース(Psych-INFO,Web of Science,Korean studies Information Service System,華藝線上圖書館)を用いて,韓国,台湾における大学生に関する研究や学生相談に関連する英語文献およびハングル,中国語で書かれた文献のリストを作成した。これにより,韓国については研究論文56本,台湾については研究論文61本が抽出された。 このリストから,調査対象を大学生に限定した研究であり,かつ,学生相談に関連が深いと考えられる研究として,「カウンセリング・心理療法・介入プログラム」,「大学への適応・大学生の精神的健康」に分類される研究(韓国50本,台湾60本)を選択し,本研究課題における文献研究の対象とすることとした。 次に,図書館およびインターネット等を通じて,分類された研究論文の収集を行い,論文実物の内容を確認しつつ,文献研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大のために,入構制限措置が実施されたほか,図書館を利用した文献収集においても大きな制約を受け,研究の進捗がやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,韓国,台湾の学生相談機関を訪問し,学生相談に関する専門家から学術的な助言を得ることにより,文献研究により得られた知見を補充することが計画されている。現在,新型コロナウイルスの感染拡大により,両国への渡航が難しい状況にあり,研究遂行上の課題を抱えている。 この課題については,新型コロナウイルス感染拡大の収束時期を見極めつつ研究実施時期を変更することにより対応することを検討するとともに,オンラインにより当該国の専門家にアプローチすることが可能であるかについても検討中である。
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