2023 Fiscal Year Annual Research Report
就学前の子をもつ夫婦を対象にしたアサーション・トレーニングのプログラム開発
Project/Area Number |
20K03427
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
三田村 仰 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20709563)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | カップルセラピー / 文脈的カップルセラピー / 親への移行期 / 夫婦/カップル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,全体の目標として,就学前の子をもつ夫婦を対象にしたアサーション・トレーニングのプログラム開発を掲げていた。当初の予定では,相手にとってより適切であり,自分にとってより有効な自己表現である「機能的アサーション」という概念を軸にしたプログラム開発を検討していた。しかし,実際に産後における夫婦関係の危機を体験した女性とのインタビュー調査を通して,また,さらなる文献レビューをおこなっていくなかで,カップルのうちの一方の側からのアサーションという働きかけ,もしくは努力のみでは夫婦関係の改善は極めて困難であるという結論に至った。 なお,このインタビュー調査の結果については2つの研究として,学会発表をおこなった(「親への移行期に妻側が体験する夫婦関係が危機に至るプロセス:4名の女性を対象とした半構造化インタビューによる質的分析」:日本心理学会第86回大会,「傷ついた夫婦関係を妻たちはいかにして修復させたのか?:複線径路等至性アプローチからみる4名の女性達の体験プロセス」:2022年度人間科学研究所年次総会)。 さらに,夫婦関係の良好さを測定する尺度の開発の必要性が生じたため,「日本版カップル満足感尺度(Couple Satisfaction Index)」を開発し,表題"Development of the Couple Satisfaction Index Japanese version (CSI-J)"として, The ACBS World Conference 2022にて学会発表を行った。 夫婦の関係性の改善には,カップルセラピーが有効であることがレビューから明らかになった。そこで,最終的に,「文脈的カップルセラピー(contextual couples therapy)」を開発し,すでに開発していたCSI-Jを指標として,予備的なランダム化比較試験をおこないこのプログラムの効果を支持する結果を得るに至った。
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